Zapier 調査レポート

開発元: Zapier Inc.
カテゴリ: ワークフロー自動化

8,000以上のアプリと連携し、AIワークフローやエージェントの構築を可能にする業界トップクラスの自動化プラットフォーム。ノーコードで直感的に操作できる点が特徴。

総合評価
89点
基準点70点からの評価
オープンソース
非公式・商用
無料プラン
あり
最低価格
$19.99/月
対象ユーザー
マーケター営業担当者バックオフィス
更新頻度
🆕 最新情報: 2025年12月にAIエージェントのバージョン管理機能や管理機能の強化を実施

📋 評価の詳細

👍 加点項目

  • +10 8,000以上の圧倒的な連携アプリ数は競合を大きく引き離している。
  • +8 AI AgentsやCanvasなど、単なる連携に留まらない先進的なAI機能が充実している。
  • +4 ノーコードで直感的に利用できるUI/UXが高く評価されている。
  • +2 SOC 2/3に準拠しており、エンタープライズレベルのセキュリティ要件に対応できる。

👎 減点項目

  • -3 UIやサポートが英語中心であり、日本語での利用には依然としてハードルがある。
  • -2 タスク数に応じた従量課金制のため、大規模な利用や複雑なワークフローではコストが高騰する可能性がある。
総評: 圧倒的な連携数を基盤に、AIによる高度な自動化を実現する強力なツールだが、日本語対応と料金体系には注意が必要。

Zapier 調査レポート

1. 基本情報

  • ツール名: Zapier
  • ツールの読み方: ザピアー
  • 開発元: Zapier Inc.
  • 公式サイト: https://zapier.com/
  • 関連リンク:
  • カテゴリ: ワークフロー自動化
  • 概要: Zapierは、8,000以上のアプリケーションを連携させ、AIを活用したワークフロー、エージェント、カスタムアプリの構築を可能にする自動化プラットフォームです。プログラミングの知識がなくても、直感的な操作で複雑な業務プロセスを自動化できる点が最大の特徴です。

2. 目的と主な利用シーン

  • 解決する課題: 複数のアプリケーションをまたいで発生する手作業や繰り返し作業をなくし、業務の効率化と生産性の向上を実現します。
  • 想定利用者: マーケター、営業担当者、IT部門、人事、バックオフィス担当者など、部署を問わず定型業務の自動化を必要とするあらゆるビジネスユーザー。
  • 利用シーン:
    • マーケティング: Webフォームからのリード情報をCRMに自動登録し、同時にSlackで通知する。
    • 営業: 新規顧客との契約締結時に、会計ソフトへの顧客登録とプロジェクト管理ツールへのタスク作成を自動で行う。
    • 開発: GitHubの特定ラベルがついたIssueを自動でタスク管理ツールに起票し、担当者を割り当てる。
    • サポート: 顧客からの問い合わせメールの内容をAIで分析し、緊急度に応じて担当者に自動で割り振る。

3. 主要機能

  • Zaps: 「トリガー」(イベントの発生)と「アクション」(実行する処理)を組み合わせてワークフローを自動化するコア機能。
  • Tables: 自動化ワークフローで扱うデータを格納、管理、共有するためのデータベース機能。
  • Interfaces: フォームやWebページなどのカスタムフロントエンドを作成し、自動化プロセスを手動で起動・操作できるようにする機能。
  • AI Agents: 特定のタスク(例: リードの調査、メールの下書き作成)を自律的に実行するAIエージェントを構築・運用する機能。
  • AI Chatbots: Webサイトに埋め込み可能で、顧客からの質問に自動で回答するAIチャットボットを作成する機能。
  • Canvas: AIアシスタントと対話しながら、ワークフロー全体の構成を視覚的に設計・構築できるダイアグラムツール。
  • Functions: PythonやJavaScriptのコードを記述して、より高度でカスタムなロジックをワークフローに組み込む機能。

4. 特徴・強み (Pros)

  • 圧倒的な連携アプリ数: 8,000以上のアプリと連携可能で、業界トップクラスの対応数を誇る。主要なSaaSのほとんどをカバーしている。
  • 優れた操作性: プログラミング知識がなくても、直感的なUIで誰でも簡単に自動化ワークフローを構築できる。
  • 先進的なAI機能: ChatGPT(OpenAI)との連携に加え、独自のAI AgentsやCanvasといった高度なAI機能を積極的に統合しており、単なるデータ連携に留まらない。
  • 高い信頼性とセキュリティ: SOC 2/3に準拠し、エンタープライズレベルのセキュリティとガバナンス機能を提供。99.99%のアップタイムを誇る。

5. 弱み・注意点 (Cons)

  • 日本語対応の不足: 管理画面のUIや公式ドキュメント、サポートは英語が中心。日本語での利用には一定の慣れが必要。
  • コスト: タスクの実行回数に基づく従量課金制のため、連携する処理が増えると想定以上にコストが高くなる可能性がある。特にリアルタイムに近い頻繁な実行には注意が必要。
  • 複雑な処理の限界: ノーコードツールとしての使いやすさを重視しているため、Makeなどと比較して、入り組んだ条件分岐やエラーハンドリングなど、より複雑なロジックの構築は苦手な場合がある。

6. 料金プラン

プラン名 料金(年払い) 主な特徴
Free 無料 100タスク/月、無制限のZap、Tables, Interfaces, AIツールへのアクセス。シングルステップのZapのみ。
Pro $19.99/月〜 750タスク/月〜。マルチステップZap、プレミアムアプリ連携、高度なツール(Filter, Paths)が利用可能。
Team $69/月〜 2,000タスク/月〜。Proの全機能に加え、共有ワークスペース、ユーザー権限管理、SAML SSOなどチーム利用向けの機能。
Enterprise 要問い合わせ Teamの全機能に加え、高度なセキュリティとガバナンス、専任サポートなど大企業向けの機能。
  • 課金体系: 主にプランごとに設定された月間タスク(アクションの実行)数に基づく。上限を超えた分は追加料金が発生。
  • 無料トライアル: ProプランとTeamプランで14日間の無料トライアルが利用可能。

7. 導入実績・事例

  • 導入企業: Meta, Airbnb, Disney, Okta, HP, Samsung, P&G, Siemensなど、Fortune 500企業を含む世界中の数百万社で利用されている。
  • 導入事例:
    • Toyota of Orlando: AIエージェントを活用し、週20時間以上の業務を削減。
    • Slate Magazine: ワークフロー自動化により、月に2,000件以上の新規リードを獲得し、100時間以上を節約。
  • 対象業界: IT、マーケティング、金融、不動産など、業界を問わず幅広く導入されている。

8. サポート体制

  • ドキュメント: ヘルプセンターが非常に充実しており、機能ごとの詳細なガイドやチュートリアルが豊富に用意されている(英語)。
  • コミュニティ: 活発なユーザーコミュニティがあり、ユーザー同士での質疑応答や情報交換が行われている。
  • 公式サポート:
    • Proプラン: メールおよびライブチャットサポート。
    • Teamプラン以上: 優先的なプレミアサポート。
    • Enterpriseプラン: 専任のテクニカルアカウントマネージャーによるサポート。

9. 連携機能 (API・インテグレーション)

  • API: REST APIが公開されており、外部システムからZapの管理や実行が可能。また、Webhook機能により、APIを持たないサービスとも柔軟に連携できる。
  • 外部サービス連携: 8,000以上のアプリケーションと標準で連携可能。
    • 主な連携先: Slack, Google Workspace, Microsoft 365, Salesforce, HubSpot, Trello, Asana, Notion, Dropbox, OpenAI(ChatGPT), Adobe製品群など。

10. セキュリティとコンプライアンス

  • 認証: SAML SSO(シングルサインオン)、2段階認証に対応。
  • データ管理: データはAWS上で暗号化されて保管。
  • 準拠規格: SOC 2 (Type II), SOC 3, GDPR, CCPA, HIPAAなどに準拠。

11. 操作性 (UI/UX) と学習コスト

  • UI/UX: ステップバイステップでワークフローを構築できる、非常に直感的で分かりやすいUI。専門知識がないユーザーでも迷わず操作できる。
  • 学習コスト: プログラミングの知識は不要。基本的な使い方であれば数時間で習得可能で、学習コストは非常に低い。

12. ユーザーの声(レビュー分析)

  • 調査対象: G2, Gartner Peer Insights
  • 総合評価:
    • G2: 4.7/5.0 (1,900件以上のレビュー)
    • Gartner: 4.6/5.0 (900件以上のレビュー)
  • ポジティブな評価:
    • 「連携できるアプリの数がとにかく多い。私たちの使っているツールはほぼ全てZapierで繋げられた」 (G2より)
    • 「非エンジニアのチームメンバーでも、自分たちで業務改善のアイデアをすぐに形にできる。まさに業務の民主化だ」 (Gartnerより)
    • 「AI機能の追加が早く、単なるデータ連携ツールから進化し続けている点に将来性を感じる」 (G2より)
  • ネガティブな評価 / 改善要望:
    • 「UIが英語なので、英語が苦手なメンバーには少しハードルが高い。日本語に完全対応してほしい」 (G2より)
    • 「処理が増えるとすぐにタスク上限に達してしまい、料金プランを上げざるを得ない。コスト予測が難しい」 (Gartnerより)
    • 「複雑な分岐やループ処理を行おうとすると、すぐに限界を感じる。より高度なロジックを組めるようにしてほしい」 (G2より)
  • 特徴的なユースケース:
    • 複数のAIツール(ChatGPT, Gemini, Claudeなど)を連携させ、入力内容に応じて最適なAIを自動で使い分ける高度なコンテンツ生成ワークフロー。

13. 直近半年のアップデート情報

  • 2025年12月:
    • Admin Center: 複数ユーザー向けプランの管理機能を一元化し、セキュリティや承認設定へのアクセスを容易にした。
    • Zapier Agentsの機能強化: SOC 2対応の最終段階に入りデータ管理を強化。また、エージェントのバージョン管理(下書き・公開)機能や、トラブルシューティング機能が改善された。
    • Adobe Workfront & Workday連携強化: 両ツールで新たなトリガーとアクションが追加され、プロジェクト管理や財務関連のワークフロー自動化が拡充された。
    • Canvas: ワークフロー図に画像をペーストしたり、ドラッグ&ドロップで追加できるようになった。
  • 2025年11月:
    • セキュリティアップデート: 古いTLS暗号化方式の非推奨化と、SQLデータベース連携用の静的IPアドレスの更新がアナウンスされた。

(出典: Zapier Blog)

14. 類似ツールとの比較

ツール名 特徴 強み 弱み 選択肢となるケース
Zapier 業界標準のiPaaS。圧倒的な連携アプリ数と使いやすさが特徴。AI機能も積極的に統合。 連携数(8000+)、AI機能の充実、エコシステムの成熟度、学習コストの低さ。 料金が割高になる可能性、日本語対応の不足、複雑なロジック構築の限界。 多数のSaaSを連携させたい場合。非エンジニア中心で自動化を進めたい場合。
Make 視覚的なシナリオビルダーが特徴。複雑なロジックやデータ操作に強い。 複雑なワークフローを視覚的に構築可能、柔軟なデータ処理、コストパフォーマンスの高さ。 操作の習熟にやや時間がかかる、連携アプリ数はZapierに劣る。 データ加工や条件分岐など、複雑なロジックを要する自動化を行いたい場合。
n8n オープンソースでセルフホスト可能。高いカスタマイズ性と拡張性が特徴のエンジニア向けツール。 無料で利用可能(セルフホスト)、ソースコードレベルでのカスタマイズ、1000以上のノード。 サーバーの構築・運用コストがかかる、専門知識が必要、サポートが限定的。 コストを抑えたい場合。自社環境で運用したい、または高度なカスタマイズが必要な場合。
Microsoft Power Automate Microsoft 365やAzureとの親和性が非常に高い。RPA機能も統合。 Microsoft製品とのシームレスな連携、RPAによるデスクトップ操作の自動化。 Microsoft製品以外との連携は限定的、UIがやや複雑。 自動化の対象が主にMicrosoft製品群である場合。

15. 総評

  • 総合的な評価:
    • Zapierは、8,000以上という圧倒的な連携アプリ数と、誰でも直感的に使える操作性を両立した、ワークフロー自動化における業界のデファクトスタンダードと言える。近年はAI Agentsなどの先進的な機能も積極的に取り込んでおり、単なるiPaaS(Integration Platform as a Service)から、AIを活用した業務自動化プラットフォームへと進化を続けている。
  • 推奨されるチームやプロジェクト:
    • 非エンジニアが中心のチーム: プログラミング知識を必要としないため、マーケティング、営業、バックオフィスなど、現場の担当者が自ら業務改善を進めるのに最適。
    • 多数のSaaSを導入している企業: 多くのSaaS間のデータ連携をハブとして一元管理したい場合に強力な選択肢となる。
  • 選択時のポイント:
    • 連携したいアプリがZapierに対応しているか: これが最大の選択理由となる。
    • コストと処理量のバランス: 大量のタスクを高速で処理する必要がある場合は、料金体系がフィットするか慎重に検討する必要がある。
    • 日本語サポートの必要性: UIやサポートが英語中心である点を許容できるかどうかが、特に日本のユーザーにとっては重要な判断基準となる。