STORES 調査レポート
1. 基本情報
- ツール名: STORES
- ツールの読み方: ストアーズ
- 開発元: STORES 株式会社
- 公式サイト: https://stores.fun/
- 関連リンク:
- ドキュメント: https://stores.fun/docs
- カテゴリ: ビジネス/業務ツール
- 概要: ネットショップ作成、POSレジ、キャッシュレス決済、オンライン予約、モバイルオーダーなど、店舗のデジタル化と運営に必要な複数のサービスを1つのアカウントで一元的に提供するプラットフォーム。
2. 目的と主な利用シーン
- 解決する課題: 実店舗とネットショップの在庫・データ管理の分断、複数のシステムを使い分けることによる業務の煩雑さ、高額な初期導入費用。
- 想定利用者: アパレル・雑貨などの小売店、カフェ・飲食店、美容室・サロン、フィットネス施設などの店舗オーナーや運営スタッフ。
- 利用シーン:
- 実店舗とオンラインの併売: STORES POSレジとネットショップで在庫を共有・一元管理する。
- レジ・決済の効率化: STORES 決済端末とPOSレジを用いて、対面でのクレジットカードやQRコード決済をスムーズに行う。
- 予約とモバイルオーダー: サロンでのオンライン予約受付や、飲食店でのテーブルからのモバイルオーダーシステムとして活用。
3. 主要機能
- STORES ネットショップ: 初期費用・月額費用無料でネットショップを開設。予約販売、定期便、海外販売、シークレット販売など多様な販売方法に対応。
- STORES 決済: クレジットカード、電子マネー、QRコード決済に対応。持ち運び可能な専用端末も提供。
- STORES POSレジ: iPadなどのタブレットを利用したレジ機能。ネットショップと在庫を一元管理可能。
- STORES 予約: 時間枠やイベント予約、月謝・回数券の管理機能を持つ予約システム。LINE連携も可能。
- STORES モバイルオーダー: 飲食店のテイクアウトやテーブルオーダーに対応し、レジと連動して注文・決済を一元管理。
- STORES ブランドアプリ / ロイヤリティ: 自社専用アプリの作成や、実店舗とネットショップ共通のポイント・会員ランクプログラムの構築。
- STORES データ分析: 各サービスの売上や顧客データを統合し、店舗や商品ごとの多角的な分析ダッシュボードを提供。
- マキトリ by STORES: 複数店舗の運営に必要なマニュアル作成やタスク管理などの本部業務を効率化する店舗管理プラットフォーム。
4. 動作原理・システム構成
- アーキテクチャ: クラウド完結型SaaSプラットフォーム
- 主要コンポーネントとデータフロー:
- 1つのSTORESアカウント(ID)を中心に、ネットショップ、POSレジ、決済、予約、モバイルオーダーなどの各サービスが統合されたデータベースを参照・更新する。
- 実店舗のタブレット(POSレジ)や決済端末から入力された売上データや在庫変動は、即座にクラウド上のサーバーに同期され、ネットショップやデータ分析画面にリアルタイムで反映される。
- 特筆すべき要素技術:
- クレジットカード決済時の「3Dセキュア2.0」への標準対応など、高いセキュリティ規格での通信とデータ隔離。
5. 開始手順・セットアップ
- 前提条件:
- インターネット接続可能なPC、スマートフォン、またはタブレット。実店舗決済には専用の決済端末。
- アカウント作成(無料)。
- インストール/導入:
- 実店舗向け(POSレジなど)は、App Store等から専用アプリをダウンロード。
- 初期設定:
- 事業者情報(法人・個人等)や振込先口座情報の登録。
- STORES 決済を利用する場合は、加盟店審査書類の提出と審査通過が必要。
- クイックスタート:
- 無料アカウント作成後、管理画面から利用したいサービス(ネットショップなど)を選択。
- テンプレートからデザインを選び、商品を登録するだけで、即座にオンラインでの販売を開始できる。
6. 特徴・強み (Pros)
- 圧倒的な導入のしやすさ: 初期費用0円からスタートでき、ネットショップ開設からキャッシュレス決済までスムーズに導入可能。
- 充実したオールインワン連携: 予約、決済、レジ、ECなど、店舗運営に必要な機能が揃っており、サービス間のデータ連携(在庫・ポイントなど)がシームレス。
- 優れたUIと洗練されたデザイン: 直感的で使いやすい管理画面と、高品質なデザインテンプレートが豊富に用意されている。
7. 弱み・注意点 (Cons)
- 本格的なカスタマイズには制限あり: テンプレートベースのため、ソースコードレベルでの大規模なECサイトの独自カスタマイズには限界がある場合がある。
- 一部機能は有料プラン必須: POSレジの高度な連携機能や独自ドメインの設定など、本格的な運用には月額課金の「スタンダードプラン」が必要。
- 大口取引時の手数料コスト: 取引ボリュームが非常に大きいエンタープライズ規模の場合、決済手数料の負担が相対的に大きくなる可能性がある(ただし独自のエンタープライズ対応はあり)。
8. 料金プラン
| プラン名 | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| フリープラン | 無料 | 初期費用・月額費用無料。基本機能が利用可能。ネットショップ決済手数料は5.5%〜。対面決済(STORES決済)は2.48%〜。 |
| スタンダードプラン | ¥3,300/月 | (年間契約・店舗ごと)決済手数料率が割引(EC: 3.6%〜, 対面: 1.98%〜)、専用決済端末1台無料、全機能が利用可能。 |
| 大型店舗・多店舗向け | 要問い合わせ | 複数店舗や特別な要件がある大規模事業者向けに、業態・規模に合わせた提案と専用サポート。 |
- 課金体系: パッケージプランの月額料金(店舗単位) + 各種決済手数料 + 追加の単品サービス料金(ブランドアプリ、ポイント連携など)。
- 無料トライアル: フリープランにより、実質的に期間無制限で基本機能を無料で利用・検証可能。
9. 導入実績・事例
- 導入企業: 累計25万以上のお店(アパレル、飲食、美容サロンなど多岐にわたる)
- 導入事例:
- cosaji(小匙): 予約・決済・レジ・ネットショップを一元化し、あちこちのデータを見る必要がなくなり管理が非常に楽になった。
- 焼鳥うるととら: 決済・モバイルオーダー・レジを導入。
- iki Espresso: モバイルオーダー・決済・レジを導入。
- 対象業界: ファッション・雑貨、食品・飲食、美容・サロン、フィットネスなど。
10. サポート体制
- ドキュメント: 公式ヘルプセンターにて、豊富なチュートリアルやFAQを提供。サービスごとの導入ガイド資料も無料ダウンロード可能。
- コミュニティ: 「STORES Magazine」などで活用事例やノウハウを発信。また、オンライン・オフラインでのセミナーも定期開催。
- 公式サポート: メールフォームによる24時間受付のサポート。新規導入時の個別相談窓口も用意されている。
11. エコシステムと連携
11.1 API・外部サービス連携
- API: 一般開発者向けオープンAPIの提供は限定的。
- 外部サービス連携: Google Merchant Center (商品情報連携)、Instagram (ショッピング連携)、freee・マネーフォワード (会計連携)、LINEミニアプリ (予約・会員証連携)、ネクストエンジン経由でのTikTok Shop在庫連携など。
11.2 技術スタックとの相性
| 技術スタック | 相性 | メリット・推奨理由 | 懸念点・注意点 |
|---|---|---|---|
| ノーコード/ローコード (Web) | ◎ | 専門知識不要で、提供されるテンプレートで完結する | 高度な独自フロントエンド構築は想定されていない |
| 外部会計SaaS | ◎ | freee, マネーフォワード等と標準で連携可能 | 特になし |
12. セキュリティとコンプライアンス
- 認証: パスワード認証。
- データ管理: 決済時の3Dセキュア2.0対応など。
- 準拠規格: PCI DSS等の決済業界標準に準拠(STORES 決済)。情報セキュリティ基本方針やプライバシーポリシーを公開。
13. 操作性 (UI/UX) と学習コスト
- UI/UX: 「Just for Fun」を掲げる同社らしく、洗練されたモダンなデザインで、PC・スマホどちらからでも直感的に操作できる管理画面が特徴。
- 学習コスト: 非常に低い。ITに不慣れな店舗スタッフでも、マニュアルなしで基本的なレジ操作や商品登録が行えるように設計されている。
14. ベストプラクティス
- 効果的な活用法 (Modern Practices):
- 実店舗とECの完全同期: スタンダードプランを導入し、POSレジとネットショップの在庫を完全に連動させることで、売り越しを防ぎつつ販売機会を最大化する。
- モバイルオーダーによる省人化: 飲食店において、フリープランから利用可能なモバイルオーダーを活用し、ホールスタッフの負担軽減と顧客の注文体験向上を両立する。
- 陥りやすい罠 (Antipatterns):
- フリープランで売上が大きくなった際、スタンダードプランへの移行を遅らせることで、相対的に高い決済手数料を払い続けてしまうこと(月商に応じて適宜プランを見直すべき)。
15. ユーザーの声(レビュー分析)
- 調査対象: ITreview, みん評, 各種ブログ・導入事例
- 総合評価: 概ね好評。とくに初期費用無料やデザイン性において高い評価。
- ポジティブな評価:
- 「初期費用0円で始められ、オープンのリスク回避ができるのが素晴らしい。」
- 「初心者でも簡単に早くECサイトが構築でき、デザインテンプレートもシンプルで豊富。」
- 「実店舗のPOSレジとネットショップが一元管理できるので、データ連携の手間が省ける。」
- ネガティブな評価 / 改善要望:
- 「無料プランだとアクセス解析ができない、Amazon Payが使えないなどの制限がある。」
- 「デザインテンプレートのアレンジには限界があり、完全なオリジナルデザインにはしにくい。」
- 特徴的なユースケース:
- ポップアップストアやイベント出店など、短期的な実店舗運営の際に、STORES 決済端末とアプリを持ち込んで素早くレジとキャッシュレス決済環境を構築する。
16. 直近半年のアップデート情報
- 2026-07-07: STORES ネットショップ、初期・月額費用無料で228の国と地域への海外販売を可能にする「海外販売連携」(WorldShopping BIZ連携)を提供開始。
- 2026-07-03: 開発をAIネイティブに再設計する「STORES AI Week」を実施。
- 2026-06-25: STORES、新卒採用サイトを公開。
- 2026-06-08: 店舗管理プラットフォーム「マキトリ by STORES」、動画・PDFマニュアルの自動翻訳機能を提供開始。
- 2026-04-01: STORES 決済、医療機関向け特別料率を全クレジットカードブランド1.3%〜で提供開始。
- 2026-03-26: プラン体系を統合し、ネットショップ・POSレジ・決済・予約などをまとめた新「フリープラン」「スタンダードプラン」の提供を開始。
- 2025-11-20: 決済端末の次世代モデル「STORES 決済端末2」の提供開始を発表。
(出典: STORES ニュースルーム )
17. 類似ツールとの比較
17.1 機能比較表 (星取表)
| 機能カテゴリ | 機能項目 | STORES | Square | BASE | Shopify |
|---|---|---|---|---|---|
| 基本機能 | 月額無料利用 | ◎ フリープランあり |
◎ 無料から利用可能 |
◎ 初期・月額無料 |
× 月額課金必須 |
| 基本機能 | ネットショップ開設 | ◎ 手軽に構築可能 |
◯ オンライン機能あり |
◎ 国内トップクラスの手軽さ |
◎ 世界最高峰のカスタマイズ性 |
| オムニチャネル | 実店舗POS連携 | ◎ 自社POSと完全連携 |
◎ 強力なPOSハードウェア |
△ 外部連携が中心 |
◯ Shopify POS連携 |
| 機能拡張 | 飲食・サロン特化機能 | ◎ 予約・モバイルオーダー標準装備 |
◯ 業種別アプリあり |
△ 物販がメイン |
△ 拡張アプリで対応 |
17.2 詳細比較
| ツール名 | 特徴 | 強み | 弱み | 選択肢となるケース |
|---|---|---|---|---|
| STORES | 店舗運営のオールインワン | ネットショップ、POS、決済、予約のシームレスな統合。無料から始められる。 | 大規模なECサイト構築のカスタマイズ性 | 実店舗とECを両立させたい、予約やモバイルオーダーも1つにまとめたい店舗。 |
| Square | 決済・POS中心のプラットフォーム | ハードウェアの完成度、対面決済の強力さ | 飲食や美容特化の高度機能はアドオンで高額になることも | 実店舗での対面決済が主軸で、シンプルにオンライン販売も始めたい場合。 |
| BASE | 個人・小規模向けECプラットフォーム | 圧倒的な手軽さ、デザインテンプレートの豊富さ | 実店舗向けのPOS・予約などの統合機能はSTORESに劣る | 主にオンラインでの物販を中心とし、スモールスタートしたい個人やクリエイター。 |
| Shopify | グローバルスタンダードな本格EC | 圧倒的な拡張性、越境ECへの強さ、APIの充実 | 日本向けの実店舗POSローカライズ、月額固定費が必須 | 本格的にEC事業を成長させたい、高度なマーケティングや独自開発を行いたい企業。 |
18. 総評
- 総合的な評価:
- STORESは、ネットショップから実店舗のレジ、決済、予約、モバイルオーダーに至るまで、店舗運営に必要なあらゆる機能を一つのプラットフォームに統合した、非常に強力で使い勝手の良いサービスである。直感的なUIと無料から始められる手軽さは、多くの事業者にとって魅力的だ。
- 推奨されるチームやプロジェクト:
- アパレル、雑貨、カフェ・飲食店、美容サロンなど、実店舗とオンラインを併売・連動させたい小規模〜中規模の店舗ビジネスに強く推奨される。
- 選択時のポイント:
- 単なるネットショップ構築であればBASEやShopifyも強力な選択肢となるが、実店舗(POSレジ・決済)との在庫連動や、予約システム・モバイルオーダーの統合といった「オムニチャネル・店舗運営の全体最適化」を重視する場合、STORESは最もバランスの取れた有力な選択肢となる。