Salesforce 調査レポート

開発元: Salesforce, Inc.
カテゴリ: 顧客管理

世界シェアNo.1のCRMプラットフォーム。自律型AI「Agentforce」を核とし、営業、サービス、マーケティングなど全方位の業務変革を支援する。

総合評価
85点
基準点70点からの評価
オープンソース
非公式・商用
無料プラン
あり
最低価格
¥3,000/月
対象ユーザー
中規模企業大企業営業チーム
更新頻度
🆕 最新情報: 2026年6月・11月に「Agentforce World Tour Tokyo 2026」開催決定

📋 評価の詳細

👍 加点項目

  • +5 機能が圧倒的に豊富で、あらゆる業務要件に対応可能
  • +5 自律型AI「Agentforce」の実装が競合より先行している
  • +3 AppExchangeによる拡張エコシステムが巨大
  • +5 日本語対応や国内サポートが非常に充実している

👎 減点項目

  • -3 導入・運用コストが競合と比較して高い
総評: 機能、拡張性、AI機能はいずれも最高水準。コストは高いが、スケーラビリティと将来性を重視するなら最適な選択肢。

Salesforce 調査レポート

1. 基本情報

  • ツール名: Salesforce (セールスフォース)
  • ツールの読み方: セールスフォース
  • 開発元: Salesforce, Inc. (セールスフォース・ジャパン)
  • 公式サイト: https://www.salesforce.com/jp/
  • 関連リンク:
  • カテゴリ: CRM (顧客関係管理) / SFA (営業支援)
  • 概要: 世界No.1のシェアを誇る統合CRMプラットフォーム。営業、サービス、マーケティングなどの顧客接点を一元管理し、自律型AI「Agentforce」により、データ分析からタスク実行までを自動化・効率化する。

2. 目的と主な利用シーン

  • 解決する課題:
    • 顧客情報の散在と営業プロセスのブラックボックス化
    • 部門間(営業・マーケティング・サポート)の連携不足
    • 定型業務による生産性の低下
  • 想定利用者:
    • 営業担当者、営業マネージャー
    • カスタマーサポート、フィールドサービス担当者
    • マーケティング担当者、経営企画
  • 利用シーン:
    • 商談管理: リードから受注までのパイプラインを可視化し、AIによる売上予測で確度を高める。
    • 自律型エージェント活用: 「Agentforce」が24時間365日、顧客からの問い合わせ対応や営業リサーチを代行する。
    • 顧客360度ビュー: 顧客の属性、行動履歴、購入履歴を一画面に集約し、パーソナライズされた提案を行う。

3. 主要機能

  • Sales Cloud: 営業支援の中核機能。顧客管理、商談管理、売上予測、モバイル対応など。
  • Agentforce: 自然言語で指示可能な自律型AIエージェント。顧客対応や社内業務を自律的に遂行する。
  • Service Cloud: 問い合わせ管理、ナレッジベース、AIチャットボットによるカスタマーサービス支援。
  • Marketing Cloud: メール、SNS、広告などを統合したマルチチャネル・マーケティングオートメーション。
  • Data Cloud: あらゆるデータをリアルタイムで統合し、AIや分析に活用可能な状態にするデータ基盤。
  • AppExchange: 5,000以上のビジネスアプリが公開されているマーケットプレイス。
  • Flow: ドラッグ&ドロップで業務プロセスを自動化するノーコードツール。

4. 開始手順・セットアップ

  • 前提条件:
    • Webブラウザ環境
    • アカウント作成(クレジットカード不要の無料トライアルあり)
  • 導入/利用開始:
    1. 公式サイトの「無料トライアル」からサインアップ。
    2. Starter Suiteなどの初期設定ウィザードに従い、ユーザー追加やデータインポートを実施。
  • 初期設定:
    • 会社情報の設定: 組織名、会計年度、通貨などを設定。
    • ユーザー管理: 利用するメンバーを招待し、プロファイル(権限)を割り当て。
    • データインポート: CSVファイル等から既存の顧客データをインポート。
  • クイックスタート:
    • 「リード」タブから新規リードを登録し、ステータスを変更して商談化するプロセスを体験する。

5. 特徴・強み (Pros)

  • Agentforceによる自律化: 従来の「支援型AI」を超え、自ら計画し行動する「自律型AIエージェント」を標準機能として提供しており、業務代行レベルの効率化が可能。
  • 圧倒的なエコシステム: AppExchangeによる機能拡張や、Tableau、Slackなどの強力なファミリー製品との連携により、プラットフォームとしての完成度が非常に高い。
  • 高い拡張性とカスタマイズ性: ノーコードでの画面変更から、Apexコードによる高度なロジック実装まで、企業の成長に合わせて柔軟にシステムを拡張できる。

6. 弱み・注意点 (Cons)

  • コストの高さ: 高機能な上位エディションやAI機能を利用する場合、ライセンス費用が高額になりがちで、中小企業にはハードルとなる場合がある。
  • 機能の複雑さ: 多機能ゆえに設定項目が膨大で、使いこなすには専任の管理者や認定資格を持つエンジニアの存在が望ましい。
  • 学習コスト: 独自の用語や概念が多く、ユーザー定着までには一定のトレーニング期間が必要となる。

7. 料金プラン

※Sales Cloudの主なプラン(年額契約時の月額料金)。

プラン名 料金 (1ユーザー/月) 主な特徴
Free Suite 無料 最大2ユーザーまで。基本CRM機能、ガイド付きオンボーディング。
Starter Suite ¥3,000 営業・サービス・マーケティング・コマース機能を含むオールインワンCRM。
Pro Suite ¥12,000 Starterに加え、見積作成、売上予測、自動化機能の強化。
Enterprise ¥21,000 高度なパイプライン管理、Web APIアクセス、Agentforce対応(要アドオン)。
Unlimited ¥42,000 予測AI、会話インテリジェンス、Premier Success Planを含む。
Agentforce 1 Sales ¥66,000 Unlimitedに加え、AIフルスイート、Agentforce無制限利用などが含まれる最上位プラン。
  • 課金体系: ユーザー単位の月額課金(原則年払い)。
  • 無料トライアル: 全エディションで30日間の無料トライアルあり。

8. 導入実績・事例

  • 導入企業: トヨタ自動車、三菱UFJ銀行、積水ハウス、富士通、SMBCグループなど。
  • 導入事例:
    • 積水ハウス: Agentforceを活用し、AIが営業の「伴走者」として提案資料作成や顧客対応を支援。
    • 富士通: 社内サポートデスクにAgentforceを導入し、問い合わせ対応の自動化と工数削減を実現。
  • 対象業界: 金融、製造、小売、通信、不動産など全業界。特にエンタープライズ領域でデファクトスタンダード。

9. サポート体制

  • ドキュメント: 公式ヘルプ、開発者ガイド、Trailhead(無料学習サイト)が非常に充実しており、日本語情報も豊富。
  • コミュニティ: 「Trailblazer Community」は世界最大級の規模で、ユーザー同士の相互解決が活発。
  • 公式サポート:
    • Standard: 全ライセンスに含まれる基本サポート。
    • Premier / Signature: 24時間365日対応や専任担当者がつく有償サポート(上位プランには付帯)。

10. エコシステムと連携

10.1 API・外部サービス連携

  • API: 強力なREST/SOAP APIを提供。ほぼ全てのデータ操作が可能。
  • 外部サービス連携:
    • Slack: ネイティブ連携により、Chatterの代わりにSlackで通知やレコード更新が可能。
    • Tableau: 高度なビジュアル分析を実現。
    • Google Workspace / Microsoft 365: メール、カレンダーの双方向同期。

10.2 技術スタックとの相性

技術スタック 相性 メリット・推奨理由 懸念点・注意点
Heroku Salesforceデータとの同期(Heroku Connect)が容易 コスト管理が必要
MuleSoft あらゆるシステムとの統合基盤として最適 導入コストが高い
Python Simple Salesforce等のライブラリでAPI操作が容易 大量データ処理にはBulk APIの知識が必要
Java 公式SDKはあるが、Apex(Java風独自言語)が主流 オンプレ連携にはミドルウェア推奨

11. セキュリティとコンプライアンス

  • 認証: 多要素認証 (MFA) 必須化、SSO、IP制限、カスタムドメインなど。
  • データ管理: Hyperforceにより、AWS等のパブリッククラウド上で国内リージョンを選択可能。暗号化(Shield)も提供。
  • 準拠規格: ISMAP, ISO 27001, SOC 2, GDPR, PCI-DSSなど、主要な国際規格・国内規格を網羅。

12. 操作性 (UI/UX) と学習コスト

  • UI/UX: Lightning Experienceはモダンで見やすいが、情報量が多く、慣れるまでは目的の機能を探すのに苦労する場合がある。
  • 学習コスト: 高い。ただし無料の学習プラットフォーム「Trailhead」がゲーミフィケーションを取り入れており、楽しみながらスキルを習得できる環境が整っている。

13. ベストプラクティス

  • 効果的な活用法 (Modern Practices):
    • 標準機能の最大活用: 安易なカスタマイズ(コード開発)を避け、Flowなどの標準機能やAppExchangeアプリを活用する。
    • データ入力の負荷軽減: モバイルアプリや音声入力、AIによる自動キャプチャを活用し、現場の負担を減らす。
  • 陥りやすい罠 (Antipatterns):
    • 過剰なカスタマイズ: バージョンアップ時の不具合原因となり、保守コストが増大する(技術的負債)。
    • 入力項目の乱立: 必須項目を増やしすぎて現場が入力を放棄し、データが陳腐化する。

14. ユーザーの声(レビュー分析)

  • 調査対象: G2, Capterra, ITreview
  • 総合評価: 4.3/5.0 (G2)
  • ポジティブな評価:
    • 「カスタマイズ性が高く、自社の複雑な商流に合わせられる唯一のツール」
    • 「レポート・ダッシュボード機能が強力で、経営の見える化が進んだ」
    • 「Trailheadで独学できるので、エンジニアがいなくてもある程度設定できる」
  • ネガティブな評価 / 改善要望:
    • 「ライセンス料が高く、円安の影響でさらに負担が増している」
    • 「機能が多すぎて使いこなせていない。シンプルな機能だけで安いプランが欲しい」
    • 「動作が重い時がある」
  • 特徴的なユースケース:
    • 営業管理だけでなく、採用管理やパートナー管理(PRM)としても広く利用されている。

15. 直近半年のアップデート情報

  • 2026-01-29: Agentforce 1 Sales 提供開始 AIエージェント機能をフル活用できる最上位プランが登場。従業員はAgentforceを無制限で利用可能。
  • 2025-10-14 (Winter ‘26): Agentforce 本格展開 自律型AIエージェント「Agentforce」が一般提供開始。従来のチャットボットを超え、自律的にタスクを遂行可能に。
  • 2025-10-14 (Winter ‘26): リストビューの刷新 Lightning Experienceのリストビューパフォーマンスが向上し、操作性が改善。

(出典: Salesforce Release Notes)

16. 類似ツールとの比較

16.1 機能比較表 (星取表)

機能カテゴリ 機能項目 本ツール HubSpot Zoho CRM AGENTIC STAR
基本機能 CRM/SFA
業界標準

使いやすい

高コスパ

AI特化
カテゴリ特定 自律AI
Agentforce

Breeze

Zia

完全自律
エンタープライズ 拡張性
最高水準

制限あり

独自言語あり

MCP対応
非機能要件 日本語対応
完璧

良好

対応済

国内製

16.2 詳細比較

ツール名 特徴 強み 弱み 選択肢となるケース
本ツール 全方位型AI CRM 圧倒的な機能とエコシステム、自律型AIの実装速度 コストが高い、学習コストが高い スケーラビリティとAI活用を最優先する中〜大企業
HubSpot インバウンド特化 UIが直感的で使いやすく、マーケティング機能と統合されている 高度なカスタマイズや複雑な権限管理は苦手 使いやすさを重視し、マーケティング主導で導入する企業
Zoho CRM コスパ重視 非常に低価格で多機能、Zoho製品群との連携 UIの洗練度や大規模サポートで劣る場合がある コストを抑えたい中小企業やスタートアップ
AGENTIC STAR 国内製自律AI 国内企業のセキュリティ要件に適合、MCP対応 CRM機能は持たず、あくまでAIエージェント基盤 既存システムと連携させ、特定の業務フローを自律化したい場合

17. 総評

  • 総合的な評価: CRMの絶対王者でありながら、AIシフトへの対応スピードも驚異的です。「Agentforce」により、単なるデータ管理ツールから「自律的に業務をこなすプラットフォーム」へと進化しました。機能、信頼性、将来性は間違いなくトップクラスですが、その分コストも高額です。
  • 推奨されるチームやプロジェクト:
    • 営業プロセスの標準化と自動化を強力に推進したい中堅〜大企業。
    • 顧客データを一元化し、AIを活用した高度なパーソナライズを実現したい組織。
    • 将来的なビジネス拡大を見据え、システムに拡張性を持たせたいプロジェクト。
  • 選択時のポイント: 導入の成否は「コストに見合う活用ができるか」にかかっています。単なる連絡先管理であればオーバースペックです。AIエージェントによる業務代行や、部門間連携による付加価値創出を目指す場合に、Salesforceは真価を発揮します。