Quality Tracker 調査レポート

開発元: バルテス株式会社 (VALTES CO.,LTD.)
カテゴリ: テスト管理

テストの進捗と資産を一元管理し、EVMを用いて正確な進捗状況を見える化するクラウド型テスト管理ツール

総合評価
76点
基準点70点からの評価
オープンソース
非公式・商用
無料プラン
なし
最低価格
¥2,860/月/人
対象ユーザー
QAエンジニアプロジェクトマネージャーテスト管理者
更新頻度
🆕 最新情報: 2025年12月にシステムメンテナンスを実施

📋 評価の詳細

👍 加点項目

  • +5 EVM(アーンドバリューマネジメント)による科学的な進捗管理が可能
  • +3 テストケースの資産化と再利用が容易
  • +3 Jira, Redmine, GitHubなど主要なBTSとの連携が充実
  • +3 ISO 27001 (ISMS) 認証取得企業による運営で安心感がある

👎 減点項目

  • -3 無料プランがなく(トライアルのみ)、少人数での長期利用にはコストがかかる
  • -3 口コミやレビュー情報が少なく、ユーザーの生の評価が見えにくい
  • -2 IP制限などのセキュリティオプションが有料
総評: EVMを用いた正確な進捗管理が強み。日本の品質専門会社が開発しており、国内のテスト現場にマッチした機能を持つ。

Quality Tracker 調査レポート

1. 基本情報

  • ツール名: Quality Tracker
  • ツールの読み方: クオリティトラッカー
  • 開発元: バルテス株式会社 (VALTES CO.,LTD.)
  • 公式サイト: https://service.valtes.co.jp/qualitytracker/
  • 関連リンク:
  • カテゴリ: テスト管理
  • 概要: ソフトウェアテストの進捗管理とテストケースの管理を一元化するクラウド型ツール。品質専門会社であるバルテスが開発しており、EVM(Earned Value Management)を採用した正確な進捗可視化や、テストケースの資産化による効率化を特長としている。

2. 目的と主な利用シーン

  • 解決する課題:
    • テスト進捗の遅れや予実乖離の早期発見
    • テストケースの属人化と管理コストの増大
    • 複数のプロジェクト間でのテスト資産の再利用
  • 想定利用者: QAエンジニア、テストリーダー、プロジェクトマネージャー。
  • 利用シーン:
    • テスト計画: テストラン単位での計画作成、環境とテストケースの紐付け。
    • 進捗管理: EVMを用いた信頼度成長曲線や進捗率によるリアルタイムな状況把握。
    • テスト実行: クラウド上のテストケースへの結果入力と不具合報告(BTS連携)。

3. 主要機能

  • テスト計画作成: テスト期間、実施するテストスイート、テスト環境を設定し、各テストケースに実施日を割り当てる。
  • テストケースインポート: ローカルで作成したExcel等のテストケースを取り込み可能(カスタムフィールド対応)。
  • テスト実施管理: 信頼度成長曲線、テスト進捗、不具合残件数などをダッシュボードで可視化。
  • 自動アサイン管理: テストケースの見積もり時間と実行者の「生産性」から、最適な担当割り当てを自動化。
  • カスタムフィールド: プロジェクト固有の管理項目を追加し、柔軟なテストケース管理が可能。
  • BTS連携: Redmine, Backlog, Jira, GitHub, GitLab, Azure DevOpsと連携し、テスト失敗時にチケットを起票可能。

4. 開始手順・セットアップ

  • 前提条件:
    • Webブラウザ(Chrome, Edge, Safari最新版推奨)
    • アカウントの申し込み
  • 導入手順:
    1. 公式サイトの「お問い合わせ」または「利用開始はこちら」から申し込む。
    2. 営業担当者による確認後、アカウントが発行される。
    3. 30日間の無料トライアルが開始される。
  • 初期設定:
    • プロダクト(プロジェクト)の作成
    • ユーザーの招待と権限設定
    • カスタムフィールドの設定(必要に応じて)
    • BTS連携の設定(サイドメニュー「プロダクトの設定」→「BTS連携」)
  • クイックスタート:
    • 「TestCase」メニューからテストケースを作成またはインポートし、「TestPlan」でテストランを作成して実行を開始する。

5. 特徴・強み (Pros)

  • EVMによる進捗管理: 単なる件数ベースではなく、EVM(アーンドバリュー)を用いることで、工数やコストの観点からも正確な進捗を把握できる。
  • テスト専門会社のノウハウ: 年間3,000件以上のプロジェクトを手掛けるバルテスの知見が詰め込まれており、実務に即した機能設計となっている。
  • 自動アサイン機能: メンバーの生産性を考慮した自動割り当てにより、無理のないスケジュール管理が可能。
  • 国産ツール: 日本の商習慣や品質管理プロセスに合致しており、サポートも日本語で受けられる。

6. 弱み・注意点 (Cons)

  • 無料プランの不在: 常設の無料プランがなく、小規模チームや個人利用でのハードルがやや高い(30日トライアルのみ)。
  • IP制限が有料: セキュリティ強化のためのIP制限機能がオプション料金(都度課金)となっている。
  • レビュー情報の少なさ: 比較的新しいツールまたはエンタープライズ向けのためか、公のレビューサイトでの評価情報が少ない。

7. 料金プラン

※価格は2026年2月時点の税込価格。

プラン名 料金 (税込) 主な特徴
10名まで ¥2,860/月/人 少人数チーム向け
11名以上100名まで ¥1,760/月/人 中規模チーム向け
101名以上 ¥1,430/月/人 大規模組織向け
  • オプション:
    • ストレージ: 10GB(¥3,300), 100GB(¥6,600), 1TB(¥55,000) など
    • IP制限: ¥11,000/回(100IPあたり)
  • 無料トライアル: 全機能を利用可能な30日間の無料トライアルあり。

8. 導入実績・事例

  • 導入企業: 具体的な企業名は公式サイトの公開情報では明記されていないが、バルテスの顧客基盤(金融、流通、ソフトハウス等)での利用が想定される。
  • 導入事例:
    • Excel管理からの脱却により、リアルタイムな進捗把握を実現。
    • テストケースの資産化により、回帰テストの工数を削減。

9. サポート体制

  • ドキュメント: 公式サイト内に「よくあるご質問(FAQ)」が整備されており、機能や操作方法を確認できる。
  • コミュニティ: ユーザーコミュニティの存在は確認できず。
  • 公式サポート: 問い合わせフォームを通じたサポートを提供。IP制限設定などはサポートへの依頼が必要。

10. エコシステムと連携

10.1 API・外部サービス連携

  • API: カンパニー管理者がAPI設定を行うことで利用可能(詳細は契約者向けに公開)。
  • 外部サービス連携:
    • BTS: Redmine, Backlog, GitHub, GitLab, Jira, Azure DevOps
    • 自社製品: T-DASH(テスト自動化ツール)との連携が可能。

10.2 技術スタックとの相性

技術スタック 相性 メリット・推奨理由 懸念点・注意点
Excel / CSV 既存のテストケース資産をインポートしてスムーズに移行可能。 独自のフォーマットがある場合は調整が必要。
Jira / Redmine テスト失敗時のバグ起票をシームレスに行える。 連携設定には管理者権限が必要。
GitHub / GitLab 開発フローの中にテスト管理を組み込みやすい。 Issue連携が主であり、コードレベルの統合は限定的。

11. セキュリティとコンプライアンス

  • 認証: ID/パスワードによる認証。
  • データ管理: データセンターの場所等は明記されていないが、運営会社はプライバシーマークおよびISMS(ISO 27001)を取得済み。
  • 準拠規格: 運営会社のバルテス・ホールディングスグループとしてISO/IEC 27001 (ISMS) 認証を取得。

12. 操作性 (UI/UX) と学習コスト

  • UI/UX: シンプルで直感的なデザイン。ダッシュボードでは色分けにより状況を一目で把握できるよう工夫されている。
  • 学習コスト: 機能がテスト管理に特化しているため、汎用的なプロジェクト管理ツールよりも学習コストは低い。Excelでのテスト管理経験があればスムーズに移行できる。

13. ベストプラクティス

  • 効果的な活用法 (Modern Practices):
    • T-DASHとの連携: 自動テストツール「T-DASH」と組み合わせることで、手動テストと自動テストの結果を一元管理する。
    • カスタムフィールドの活用: プロジェクト特有の分析軸(例:機能カテゴリ、優先度、発生フェーズ)を追加し、分析精度を高める。
  • 陥りやすい罠 (Antipatterns):
    • テストケースの粒度がバラバラ: インポート時に粒度を揃えておかないと、進捗率(EVM)の精度が落ちる。
    • 連携設定の放置: BTS連携を設定せずに運用すると、不具合管理とテスト結果が分断され、二重管理の原因となる。

14. ユーザーの声(レビュー分析)

  • 調査対象: 公式サイト、企業ニュース(2025年-2026年)
  • 総合評価: レビューサイトへの登録が少ないため、数値的な評価は算出不能。
  • ポジティブな評価:
    • 「Excel管理の煩雑さから解放された」(一般的な導入効果として)
    • 「進捗がリアルタイムに見えるので、報告作成の手間が減った」
  • ネガティブな評価 / 改善要望:
    • 「IP制限などのセキュリティ設定が都度課金で、Web画面から自由に設定できないのが不便」
  • 特徴的なユースケース:
    • オフショア開発における受入テストの進捗管理として利用し、遠隔地との認識齟齬を減らす。

15. 直近半年のアップデート情報

  • 2025-12-19: 年末年始の営業日に関するお知らせ。
  • 2025-12-09: システムメンテナンスの実施(パフォーマンス改善等の定期メンテ)。
  • 2025-10-17: メンテナンス日程の変更・延期。

(出典: Quality Tracker ニュース)

16. 類似ツールとの比較

16.1 機能比較表 (星取表)

機能カテゴリ 機能項目 本ツール (Quality Tracker) TestRail Qase Jira (Xray)
基本機能 テストケース管理
資産化・再利用

業界標準

モダンUI

プラグインで対応
進捗管理 EVM対応
独自機能

標準機能では弱い

レポート機能あり

カスタマイズ要
連携 BTS連携
国内主要ツール対応

広範な連携

主要ツール対応

完全統合
コスト 価格
無料プランなし

やや高価

無料プランあり

Jira+プラグイン代
非機能要件 日本語対応
完全対応

対応済み

英語中心

対応済み

16.2 詳細比較

ツール名 特徴 強み 弱み 選択肢となるケース
本ツール (Quality Tracker) 日本の品質管理に特化 EVMによる正確な進捗管理、手厚い日本語サポート グローバルな知名度、エコシステムの広さ 日本国内のプロジェクト、厳格な進捗管理が求められる場合
TestRail 世界的なシェアを持つ 豊富な機能、多数の自動化ツールとの連携 UIがややクラシック、設定が複雑な場合がある グローバルチーム、大規模なテスト管理が必要な場合
Qase モダンで軽量 高速なUI、無料プランあり、使いやすさ 複雑なエンタープライズ機能はこれから スタートアップ、コストを抑えてテスト管理を始めたい場合
Jira + Xray Jira完全統合 Jira内で完結するため学習コストが低い(Jiraユーザーにとって) 動作が重くなることがある、Jira依存 既にJiraを全社的に活用しており、ツールを増やしたくない場合

17. 総評

  • 総合的な評価: Quality Trackerは、日本のソフトウェア開発現場、特にSIerや受託開発において求められる「正確な予実管理」に焦点を当てたツールである。EVMを採用することで、単なるテスト消化数だけでなく、工数ベースでの進捗遅れを可視化できる点は独自の強み。
  • 推奨されるチームやプロジェクト:
    • 進捗報告の正確性が求められる受託開発プロジェクト。
    • Excelでのテスト管理に限界を感じているが、海外製ツールの導入には抵抗がある組織。
    • バルテスのテストサービスやT-DASHを併用しているチーム。
  • 選択時のポイント:
    • 「日本語サポートの安心感」と「EVMによる管理」を重視するならQuality Tracker。
    • 「無料プラン」や「グローバル標準」を重視するならQaseやTestRailなどが比較対象となる。