Miro 調査レポート

チームでのブレインストーミングから複雑なシステム設計、プロジェクト管理まで、あらゆるコラボレーションを視覚的に実現するイノベーションワークスペース。

総合評価
87点
基準点70点からの評価
オープンソース
非公式・商用
無料プラン
あり
最低価格
$8/月
対象ユーザー
プロダクトマネージャーエンジニアUX/UIデザイナー
更新頻度
🆕 最新情報: 2026年1月にプロトタイプ機能のコネクタ表示切替や詳細なピクセル指定機能を追加

📋 評価の詳細

👍 加点項目

  • +8 オンラインホワイトボードの枠を超え、高度な作図やプロトタイプ作成まで可能な多機能性
  • +5 Miroverseコミュニティによる5,000以上の豊富なテンプレート
  • +5 Jira, Slack, Microsoft 365など250以上のツールとの強力な連携
  • +4 Miro AIによる図の自動生成やマインドマップ作成などの支援機能

👎 減点項目

  • -2 大規模なボードでは動作が重くなる場合がある
  • -2 多機能ゆえに、単純なホワイトボードとして使うには学習コストがやや高い
  • -1 オフライン環境では利用できない
総評: 圧倒的な機能性とエコシステムを持つ、チームコラボレーションツールの決定版。単なるホワイトボード以上の価値を提供する。

Miro 調査レポート

1. 基本情報

  • ツール名: Miro
  • ツールの読み方: ミロ
  • 開発元: Miro
  • 公式サイト: https://miro.com/
  • 関連リンク:
  • カテゴリ: デザインツール
  • 概要: Miroは、チームが場所を問わずアイデアを共有し、協力してプロジェクトを進めるためのオンラインホワイトボードプラットフォーム(イノベーションワークスペース)。ブレインストーミング、図表作成、アジャイル開発の管理、プロトタイピングなど、多岐にわたる用途で活用されている。

2. 目的と主な利用シーン

  • 解決する課題:
    • リモートワークやハイブリッドワークにおけるコミュニケーションの質とスピードの向上
    • アイデア出しから実行計画までのプロセスの分断解消
    • 複雑なシステムやワークフローの可視化
  • 想定利用者:
    • プロダクトマネージャー、プロジェクトマネージャー
    • ソフトウェアエンジニア、システムアーキテクト
    • UX/UIデザイナー、マーケター
  • 利用シーン:
    • アジャイル開発: スプリントプランニング、レトロスペクティブ、カンバンボードでのタスク管理
    • 製品設計: ユーザーフロー図、ワイヤーフレーム、プロトタイプの作成
    • ワークショップ: オンラインでの付箋を使ったブレインストーミングや投票
    • システム設計: AWS/Azure構成図やUML図、ER図の作成

3. 主要機能

  • 無限キャンバス: 広大なスペースにテキスト、画像、ドキュメント、付箋などを自由に配置可能。
  • Miro AI: 自然言語からのマインドマップ生成、付箋の自動要約・分類、コードからの図生成などを支援。
  • 高度な作図ツール: UML、BPMN、ER図、クラウドアーキテクチャ図などを作成するための専門的なシェイプパック。
  • インタラクティブ機能: タイマー、投票、ビデオ通話、BGM、リアクションなど、会議を活性化する機能群。
  • Miro Prototypes: 静的なデザインをインタラクティブなプロトタイプに変換し、画面遷移や動作を確認可能。
  • トークトラック (Talktrack): ボード上の操作を録画して共有でき、非同期での説明やフィードバックに利用可能。
  • 開発者向けプラットフォーム: REST APIやWeb SDKを利用して、独自のアプリや連携機能を開発可能。

4. 開始手順・セットアップ

  • 前提条件:
    • Webブラウザ(Chrome, Edge, Firefox, Safariなど)またはデスクトップアプリ
    • Miroアカウント(Google, Slack, MicrosoftアカウントなどでのSSOも可能)
  • インストール/導入:
    • ブラウザ版はインストール不要。
    • デスクトップ版は公式サイトからダウンロード可能(Windows/Mac)。
  • 初期設定:
    • アカウント作成後、チームを作成し、メンバーを招待。
    • 必要に応じてSlackやJiraなどの連携アプリをインストール。
  • クイックスタート:
    1. 「New board」をクリックして新しいボードを作成。
    2. 用途に合わせてテンプレート(例: Mind Map, Kanban)を選択。
    3. ツールバーから付箋やテキストを選んで配置開始。

5. 特徴・強み (Pros)

  • 圧倒的なテンプレート数: コミュニティベースの「Miroverse」には5,000以上のテンプレートがあり、ベストプラクティスを即座に導入できる。
  • 強力な外部連携: JiraやAzure DevOpsとの双方向同期が可能で、付箋をタスクとして管理できるため、開発現場での親和性が高い。
  • オールインワン: ブレインストーミング用ツール、作図ツール、タスク管理ツールをMiro一つに集約できる。
  • 直感的な操作性: 誰でも直感的に使えるUIでありながら、ショートカットキーなども充実しており熟練者にも使いやすい。

6. 弱み・注意点 (Cons)

  • パフォーマンス: オブジェクト数が数千を超えるような超巨大なボードでは、読み込みや描画が遅くなる場合がある。
  • 学習コスト: 機能が非常に多いため、初心者が全ての機能を把握するには時間がかかる。
  • オフライン利用: 基本的に常時オンライン接続が必要で、完全なオフラインモードは提供されていない。
  • モバイル体験: タブレットやスマホアプリも存在するが、複雑な編集作業はPC版に比べて行いにくい。

7. 料金プラン

プラン名 料金 主な特徴
Free 無料 ボード3つまで編集可、Miro AI(10クレジット/月)、基本テンプレート
Starter $8/ユーザー/月 (年払い) ボード数無制限、プライベートボード、高解像度エクスポート、バージョン履歴
Business $16/ユーザー/月 (年払い) SSO、外部ゲスト招待、高度な作図機能、Jira/Azure連携
Enterprise 要問い合わせ 企業向けセキュリティ、管理機能、専任サポート、データレジデンシー
  • 課金体系: ユーザーライセンス単位の課金。
  • 無料トライアル: Businessプランなどでトライアルあり。

8. 導入実績・事例

  • 導入企業: Cisco, Dell, Deloitte, HP, Kaiser Permanente, Liberty Mutual, Oktaなど、Fortune 100の99%が利用。
  • 導入事例:
    • Cisco: ハイブリッドワーク環境でのチームコラボレーション基盤として全社導入。
    • Okta: 製品開発プロセスにおけるアイデア出しからロードマップ策定までを一貫して管理。
  • 対象業界: ソフトウェア開発、コンサルティング、製造、金融など全業界。

9. サポート体制

  • ドキュメント: Miro Help Center に詳細なガイドと動画チュートリアルがある。
  • コミュニティ: Miro Community フォーラムが活発で、ユーザー間でのQ&Aが行われている。
  • 公式サポート: メールサポート(Starter以上)、プレミアムサポート(Enterpriseオプション)。

10. エコシステムと連携

10.1 API・外部サービス連携

  • API: REST API, Web SDKが公開されており、ボード上のアイテム操作や外部システムとのデータ連携が可能。
  • 外部サービス連携:
    • Jira / Azure DevOps: 付箋とチケットの双方向同期。
    • Slack / Microsoft Teams: 通知の受け取りや、アプリ内でのボード展開。
    • Google Workspace / Microsoft 365: ドキュメントの埋め込みやSSO連携。
    • Figma / Adobe XD: デザインファイルの埋め込みや連携。

10.2 技術スタックとの相性

技術スタック 相性 メリット・推奨理由 懸念点・注意点
JavaScript / TypeScript Web SDKはJS/TSベースであり、型定義も提供されているため開発体験が良い。 特になし
React Miro Web SDKはReactとの親和性が高く、カスタムアプリのUI構築が容易。 公式のUIコンポーネントライブラリ(Mirotone)の活用が推奨される。
Python REST APIを利用して、データ分析やバッチ処理を行うのに適している。 Web SDK(フロントエンド操作)は利用できない。
Node.js REST APIのバックエンド処理やOAuth認証フローの実装に最適。 特になし

11. セキュリティとコンプライアンス

  • 認証: SSO (SAML 2.0), 2段階認証 (2FA)。Enterpriseではドメイン管理も可能。
  • データ管理: 転送中および保存データの暗号化 (TLS 1.2+, AES-256)。Enterprise Guardによる高度なデータガバナンス。
  • 準拠規格: ISO 27001, SOC 2 Type II, SOC 3, GDPR, TISAX, NIST。

12. 操作性 (UI/UX) と学習コスト

  • UI/UX: 非常にスムーズなズーム・パン操作が可能で、付箋を貼る、線を繋ぐといった基本操作が心地よい。
  • 学習コスト: 基本操作は数分で覚えられるが、「スマートダイアグラム」や「開発連携」などの高度な機能を使いこなすには、公式のアカデミーやドキュメントを参照する必要がある。

13. ベストプラクティス

  • 効果的な活用法 (Modern Practices):
    • テンプレート活用: ゼロから作らず、Miroverseから目的に近いテンプレートを探してカスタマイズする。
    • フレーム機能: ボード内を「フレーム」で区切ることで、プレゼンテーションモードでのスライドショーやPDFエクスポートが容易になる。
    • タグと検索: 付箋にタグを付けたり、色分けのルールを決めることで、後からの検索や整理が効率化する。
  • 陥りやすい罠 (Antipatterns):
    • 整理整頓不足: 無限キャンバスだからといって無秩序に配置しすぎると、どこに何があるかわからなくなる(「フレーム」で整理すべき)。
    • バックアップ忘れ: 重要なボードは定期的にバックアップ(.rtbファイルとしてエクスポート)を取ることが推奨される(Enterprise以外では制限がある場合も)。

14. ユーザーの声(レビュー分析)

  • 調査対象: G2, Capterra, ITreview
  • 総合評価: 4.8/5.0 (G2)
  • ポジティブな評価:
    • 「リモートワークでの会議がMiroのおかげで劇的に効率化した」
    • 「Jiraとの連携機能が神。付箋をそのままチケット化できるのが便利すぎる」
    • 「テンプレートが豊富で、どんな会議やワークショップにも対応できる」
  • ネガティブな評価 / 改善要望:
    • 「要素が増えすぎるとブラウザが重くなる」
    • 「無料プランの制限(ボード3つ)が厳しく、すぐに有料プランが必要になる」
    • 「機能が増えすぎてメニューが複雑になってきた」
  • 特徴的なユースケース:
    • 単なる会議ツールとしてだけでなく、企業の「ナレッジベース」や「プロジェクトポータル」として、資料やリンクを集約するハブとして利用するケースが増えている。

15. 直近半年のアップデート情報

  • 2026-01-19: プロトタイプコネクタの表示切替: プロトタイプ作成時のコネクタ(接続線)の表示/非表示を切り替え可能になり、視認性が向上。
  • 2026-01-12: フォーカスモードでのピクセル指定: 図形や画像などのサイズをピクセル単位で正確に指定可能に。
  • 2025-12-08: 高度なコンポーネント追加: プロトタイプライブラリに、カレンダーやテーブルなどの高度なUIコンポーネントが追加。
  • 2025-11-24: AI作図機能の改善: AIによる図生成がより関連性の高い形状を生成するように改善され、カスタムスタイルにも対応。
  • 2025-11-10: 回路図シェイプの追加: 電気工学向けの回路図やロジック図を作成するためのシェイプパックが登場。
  • 2025-10-14: Miro Prototypes & Insights: アイデアからプロトタイプへの変換機能と、顧客フィードバック分析機能(Insights)の強化。

(出典: Miro Changelog)

16. 類似ツールとの比較

16.1 機能比較表 (星取表)

機能カテゴリ 機能項目 本ツール (Miro) Mural FigJam Lucidspark
基本機能 付箋・描画
作図機能 UML/ER図等
高度に対応

基本のみ

簡易的

Lucidchart連携
開発連携 Jira同期
双方向・強力

対応

ウィジェット

Lucid Cards
デザイン プロトタイプ
Miro Prototypes
×
Figma連携
×
非機能要件 日本語対応
完全対応

一部英語

対応

対応

16.2 詳細比較

ツール名 特徴 強み 弱み 選択肢となるケース
Miro 多機能オールインワン 開発・デザイン・ビジネス全般に対応できる機能の広さと、強力なJira連携。 高機能すぎて単純な利用には複雑に感じる場合がある。 開発チーム、プロダクトマネジメント、全社的なコラボレーション基盤として。
Mural ファシリテーション特化 ワークショップ進行機能やファシリテーター向け機能が充実。 作図や開発タスク管理の機能はMiroに劣る。 コンサルタントやワークショップ中心の利用、非開発部門での利用。
FigJam デザイナー向け Figmaとのシームレスな連携と、シンプルで楽しいUI。 機能はシンプルで、複雑なプロジェクト管理には不向き。 既にFigmaを導入しているデザインチームや、ライトなブレスト用途。
Lucidspark プロセス可視化連携 Lucidchartと連携し、ブレストから本格的な図解への移行がスムーズ。 単体でのコミュニティやテンプレート数はMiroほどではない。 Lucidchartを既に利用している組織や、図解作成を重視する場合。

17. 総評

  • 総合的な評価:
    • Miroは、単なるホワイトボードツールから「イノベーションワークスペース」へと進化しており、機能の豊富さ、外部連携の強さ、使いやすさのバランスが非常に高いレベルでまとまっている。特に開発チームやプロダクトチームにとっては、Jira連携や作図機能の充実度から、最も有力な選択肢である。
  • 推奨されるチームやプロジェクト:
    • アジャイル開発を行うソフトウェアチーム、プロダクトマネージャー、リモートワーク中心の組織、複雑な要件定義やシステム設計を行うプロジェクト。
  • 選択時のポイント:
    • 「何でもできる自由度」と「開発エコシステムとの統合」を重視するならMiro一択。逆に、Figmaを中心としたデザインフローがあるならFigJam、厳格な図解管理フローがあるならLucidsparkも検討に値する。