Keepa 調査レポート
1. 基本情報
- ツール名: Keepa
- ツールの読み方: キーパ
- 開発元: Keepa.com
- 公式サイト: https://keepa.com/
- 関連リンク:
- カテゴリ: EC・マーケットプレイス分析
- 概要: Amazonにおける商品の価格履歴、売れ筋ランキング、出品者数などの推移をグラフで可視化するツール。世界中のAmazonマーケットプレイスに対応し、50億以上の商品を追跡している。せどりやメーカー仕入れなどの物販ビジネスにおける市場分析や、一般ユーザーの買い時判断に広く利用されている。
2. 目的と主な利用シーン
- 解決する課題: 商品の適正価格の把握、価格変動のトレンド分析、競合出品者の在庫状況の確認。
- 想定利用者: Amazon出品者(セラー)、せどり・転売実践者、一般のAmazon利用者。
- 利用シーン:
- 仕入れ判断: 過去の価格とランキング推移から、商品がいつ、いくらで、どれくらい売れているかを分析し、仕入れの可否を判断する。
- 価格設定: 競合の価格変動やカートボックス獲得価格の履歴を確認し、自社の販売価格を最適化する。
- 買い時通知: 欲しい商品が指定した価格以下になった際に通知を受け取り、安く購入する(トラッキング機能)。
3. 主要機能
- 価格履歴グラフ: 新品、中古、Amazon直販など、コンディションごとの価格推移を長期間にわたりグラフ表示する。
- 売れ筋ランキング履歴: Amazonの売れ筋ランキング(Sales Rank)の推移を表示し、商品の需要や回転率を把握できる(有料版)。
- 価格・在庫アラート: 指定した価格を下回った場合や、在庫が復活した際にメールや通知を受け取れる。
- Buy Box(カートボックス)統計: カートボックスを獲得している出品者、価格、獲得率などの統計情報を確認できる。
- Product Finder: カテゴリ、価格帯、ランキング、出品者数など、詳細な条件を指定して商品を検索・抽出できる(Premium Data Access)。
- ブラウザ拡張機能: Chrome、Firefox、Edgeなどにインストールすることで、Amazon商品ページ内にKeepaのグラフを直接埋め込んで表示する。
- グローバル対応: 日本、米国、欧州各国など、世界中のAmazonマーケットプレイスのデータを切り替えて確認できる。
4. 特徴・強み (Pros)
- 圧倒的なデータ量と網羅性: 50億以上の商品を追跡しており、長期間の履歴データが蓄積されているため、季節ごとのトレンド分析も可能。
- Amazonページ内での完結: ブラウザ拡張機能により、別サイトに移動することなくAmazonの商品ページ上で分析が完結するため、リサーチ効率が非常に高い。
- 詳細な絞り込み機能: Product Finderを使用することで、非常に細かい条件で利益商品やニッチな商品を発掘できる。
5. 弱み・注意点 (Cons)
- 重要なデータが有料: 無料版では売れ筋ランキングのグラフが表示されず、売れ行きの判断が難しいため、ビジネス利用には有料プランが実質必須。
- UIの複雑さ: 提供されるデータ量が多いため、グラフや設定項目が密集しており、初心者が全ての情報を読み解くには学習が必要。
- サブスクリプション管理: 解約プロセスや自動更新に関して、一部のユーザーから分かりにくいという指摘がある。
6. 料金プラン
| プラン名 |
料金 |
主な特徴 |
| Free Account |
無料 |
価格履歴グラフの閲覧、価格トラッキング(アラート)、基本的な商品検索。※ランキンググラフは非表示。 |
| Premium Data Access |
€19/月 |
売れ筋ランキンググラフ、Buy Box価格履歴、Product Finderの全機能、APIアクセス(制限付き)、商品登録上限の大幅アップ。 |
- 課金体系: 月額または年額払い(年額払いの場合は割引あり)。通貨はユーロ設定が基本。
- 無料トライアル: なし(Freeアカウントが永続的に利用可能)
7. 導入実績・事例
- 導入企業: 個人事業主から大規模なEC事業者まで、世界中のAmazonセラーに利用されている。具体的な企業名は非公開だが、多くのAmazonコンサルティング会社やツールベンダーがKeepaのデータを参照・活用している。
- 導入事例: せどり・転売ビジネスにおける「仕入れ判断ツール」としての利用が最も一般的。また、メーカーが自社商品の市場価格や競合動向を監視するために利用するケースも多い。
- 対象業界: Eコマース、小売、卸売、製造業(D2C)。
8. サポート体制
- ドキュメント: 公式サイト内にDiscussion Board(フォーラム)があり、機能に関する質問やアップデート情報が共有されている。
- コミュニティ: 公式フォーラムのほか、多くのサードパーティブログやYouTubeチャンネルで使い方が解説されている。
- 公式サポート: メール(info@keepa.com)による問い合わせに対応している。対応言語は主に英語だが、日本語での問い合わせも可能な場合がある(返答に時間がかかる可能性あり)。
9. エコシステムと連携
9.1 API・外部サービス連携
- API: Keepa APIを提供しており、商品データ、価格履歴、ランキング情報などをプログラムから取得可能。トークン消費制の従量課金モデル(サブスクリプションに含まれるトークン量あり)。
- 外部サービス連携: 多くのせどり・物販系ツール(価格改定ツール、リサーチツール)がKeepaのデータをバックエンドで利用しているか、連携機能を備えている。
9.2 技術スタックとの相性
| 技術スタック |
相性 |
メリット・推奨理由 |
懸念点・注意点 |
| Java |
◎ |
公式APIライブラリが提供されている。 |
特になし |
| Python |
◯ |
公式ライブラリはないが、コミュニティ製のラッパーやREST APIの直接利用が容易。 |
公式SDKではないためメンテナンス状況に注意。 |
| Node.js |
◯ |
REST APIを利用して容易に統合可能。 |
非同期処理の実装が必要。 |
10. セキュリティとコンプライアンス
- 認証: メールアドレスとパスワードによるログイン。2段階認証などの高度なセキュリティ機能についての明記はない。
- データ管理: ユーザーのトラッキングデータや設定はKeepaのサーバーに保存される。プライバシーポリシーに基づきデータを取り扱う。
- 準拠規格: 公式サイト上でISO27001やSOC2などの具体的な認証取得情報は公開されていない。
11. 操作性 (UI/UX) と学習コスト
- UI/UX: 1つのグラフ内に価格、ランキング、出品者数など多次元の情報が重ねて表示されるため、初見では情報過多に感じることがある。しかし、慣れれば一目で商品の状況を把握できる効率的なデザイン。
- 学習コスト: グラフの読み方(波形が何を意味するか)を理解する必要があり、学習コストはやや高め。Product Finderなどの高度な検索機能も使いこなすには知識が必要。
12. ユーザーの声(レビュー分析)
- 調査対象: App Store, Trustpilot, G2
- 総合評価: 4.8/5.0 (App Store), 2.2/5.0 (Trustpilot - サポート・解約関連の苦情が低評価の要因)
- ポジティブな評価:
- 「Amazon物販にはなくてはならないツール。これがないと仕入れができない。」
- 「データの精度が高く、価格履歴を見ることで偽のセールを見抜ける。」
- 「スマホアプリでもグラフが見られるので、店舗せどりに便利。」
- ネガティブな評価 / 改善要望:
- 「サブスクリプションの解約方法が分かりにくく、意図せず更新されてしまった。」
- 「サポートの対応が遅い、または返信がないことがある。」
- 「無料版ではランキングが見られなくなり、実質有料専用ツールになった。」
- 特徴的なユースケース:
- ブラックフライデーなどの大型セール時に、現在の価格が本当に安いかどうかを過去の価格と比較して判断する。
13. 直近半年のアップデート情報
Keepaは継続的にデータの更新と対応マーケットプレイスの拡大を行っているが、個別の機能追加に関する詳細な日付付きリリースノートは一般公開されていない。主な継続的なアップデートは以下の通り。
- 2025年内 (継続): 対応マーケットプレイスの拡大とデータ精度の向上:
- 新興国のAmazonマーケットプレイスへの対応や、追跡対象商品の拡大を常時行っている。
- 2025年内 (継続): モバイルアプリの機能改善:
- iOS/AndroidアプリのUI改善や、デスクトップ版機能(Product Finderの一部機能など)のモバイル対応を順次進めている。
(出典: 公式サイトおよびアプリ更新履歴)
14. 類似ツールとの比較
| ツール名 |
特徴 |
強み |
弱み |
選択肢となるケース |
| Keepa |
価格とランキング履歴の圧倒的なデータ量。 |
データの網羅性と信頼性。ブラウザ拡張機能の利便性。 |
ランキングデータが有料。UIが複雑。 |
本格的にAmazon物販を行う場合、または詳細な履歴分析が必要な場合。 |
| CamelCamelCamel |
完全無料のAmazon価格追跡ツール。 |
無料で利用できる。UIがシンプルで一般ユーザーにも分かりやすい。 |
売れ筋ランキングのデータがない。商品検索機能がKeepaより劣る。 |
一般の購入者が「買い時」を知りたいだけの場合。コストをかけたくない場合。 |
| Helium 10 |
Amazonセラー向けのオールインワンツール(SEO、在庫管理など含む)。 |
キーワード分析、SEO対策、在庫管理など、物販に必要な全機能を網羅。UIが洗練されている。 |
Keepaに比べて料金が高い。価格履歴データの詳細さではKeepaに一日の長がある。 |
データ分析だけでなく、SEOや運営管理も含めてツールを一本化したい場合。 |
15. 総評
- 総合的な評価:
- Keepaは、Amazon市場分析ツールとして業界標準の地位を確立している。特に価格推移と売れ筋ランキングの履歴データに関しては、他の追随を許さない質と量を誇る。UIのクセやサポート面の課題はあるものの、Amazon物販ビジネスを行う上で、そのデータの価値はコストを大きく上回る。
- 推奨されるチームやプロジェクト:
- Amazonセラー(個人・法人): 仕入れ判断の精度を高め、在庫リスクを減らすために必須。
- ECマーケティング担当: 競合製品の価格戦略や販売動向をモニタリングするのに最適。
- 選択時のポイント:
- 「売れ筋ランキング」の推移を見て需要を判断する必要がある場合は、Keepaの有料プランが第一選択となる。
- 単に自分の欲しい商品の安値を通知してほしいだけの一般ユーザーであれば、無料のCamelCamelCamelでも十分な場合がある。
- ツールを一本化したい大規模セラーは、Helium 10などのオールインワンツールと比較検討する価値があるが、データの詳細さからKeepaを併用するケースも多い。