Findy Team+ 調査レポート

開発元: ファインディ株式会社
カテゴリ: 開発者ツール

GitHubやJiraなどのエンジニアリングツールと連携し、開発組織のパフォーマンスを可視化・分析するプラットフォーム

総合評価
77点
基準点70点からの評価
オープンソース
非公式・商用
無料プラン
なし
最低価格
要問い合わせ
対象ユーザー
CTO / VPoEエンジニアリングマネージャー開発チームリーダー
更新頻度
🆕 最新情報: 2025年版「Findy Team+ Award」で優れたエンジニア組織34社を表彰

📋 評価の詳細

👍 加点項目

  • +5 Four KeysやSPACEなど、最新の開発生産性指標を網羅的に可視化可能
  • +5 国内発のサービスであり、日本語のUI・サポートが完全にネイティブ

👎 減点項目

  • -3 料金プランが公開されておらず、問い合わせが必要
総評: 日本のエンジニア組織に特化した強力な分析ツール。開発生産性の可視化から改善までをワンストップで支援する。

Findy Team+ 調査レポート

1. 基本情報

  • ツール名: Findy Team+
  • ツールの読み方: ファインディ チームプラス
  • 開発元: ファインディ株式会社 (Findy Inc.)
  • 公式サイト: https://findy-team.io/
  • 関連リンク:
  • カテゴリ: 開発者ツール (Engineering Management Platform)
  • 概要: GitHub、GitLab、Jiraなどの開発ツールと連携し、エンジニアリング組織の生産性やパフォーマンスを自動で可視化・分析するサービス。「Four Keys」や「SPACE」フレームワークなどの指標を用い、チームの振り返りやプロセス改善を支援する。

2. 目的と主な利用シーン

  • 解決する課題:
    • 開発パフォーマンスが可視化されておらず、改善ポイントがわからない
    • エンジニアの評価が定性的になりがちで、定量的なデータが不足している
    • 会議などのノンコア業務が多く、開発に集中できない
  • 想定利用者:
    • CTO、VPoE、エンジニアリングマネージャー (EM)
    • スクラムマスター、テックリード
    • 経営企画・人事担当者(エンジニア組織の評価制度設計など)
  • 利用シーン:
    • チームの振り返り (Retrospective): サイクルタイムやデプロイ頻度の推移を見ながら、ボトルネックを特定し改善策を話し合う。
    • 1on1ミーティング: 個人のコミット数やレビュー数などの活動データをもとに、客観的なフィードバックを行う。
    • 経営層への報告: エンジニア組織の生産性向上施策の効果を定量的なデータとして提示する。

3. 主要機能

  • Four Keys分析: DevOpsのパフォーマンス指標である「デプロイ頻度」「変更のリードタイム」「変更障害率」「平均修復時間」を自動集計・可視化。
  • サイクルタイム分析: コミットからデプロイまでの時間をフェーズごとに分解(コーディング、プルリク作成、レビュー待ち、レビューなど)し、ボトルネックを特定。
  • アクティビティ可視化: 個人やチームごとのプルリクエスト数、レビュー数、コミット数などを時系列で表示。
  • ミーティング分析 (β): Googleカレンダーと連携し、開発チームの会議時間や頻度を可視化。開発に集中できる時間の確保を支援。
  • チームふりかえり (β): 可視化されたデータを活用し、KPTなどのフレームワークに沿った振り返りをツール上で完結させる機能。
  • SPACEフレームワーク対応: 生産性を多角的に捉えるSPACEフレームワークの概念を取り入れた分析機能を提供。
  • Notion連携: ドキュメント管理ツールNotionと連携し、情報共有やナレッジベースの活用状況も含めた分析が可能(2024年末〜2025年初頭に追加)。

4. 開始手順・セットアップ

  • 前提条件:
    • GitHub、GitLab、Jiraなどの開発ツールのアカウントおよび管理者権限(連携用)
    • Findy Team+のアカウント作成(法人契約またはトライアル申し込み)
  • インストール/導入: SaaS製品のためインストールは不要。ブラウザからアクセスして利用する。
  • 初期設定:
    1. Findy Team+管理画面にログイン。
    2. 「連携設定」からGitHub/GitLabなどのOAuth認証を行う。
    3. 分析対象のリポジトリとチームメンバーを選択・紐付けを行う。
  • クイックスタート:
    • 設定完了後、自動的に過去データの取り込みが開始される。
    • 数時間〜数日で初期データがダッシュボードに反映され、「Four Keys」タブで現状のスコアを確認できる。

5. 特徴・強み (Pros)

  • 日本企業に最適化されたUX: 国内開発のため、UIやサポートが完全に日本語対応しており、国内のエンジニア組織文化に馴染みやすい。
  • 科学的な指標の採用: DORAのFour KeysやSPACEフレームワークなど、業界標準の指標をベースにしており、説得力のある分析が可能。
  • 豊富な導入実績と知見: 850社以上(トライアル含む)の導入実績があり、他社の成功事例やベンチマークと比較しやすいイベントやコミュニティが充実している。
  • マルチツール連携: GitHub/GitLabとJiraなどを横断してデータを紐付け、より正確なリードタイム計測が可能。

6. 弱み・注意点 (Cons)

  • 料金の透明性: Webサイト上に具体的な料金プランが公開されておらず、見積もりのために問い合わせが必要。
  • データの解釈: 数値はあくまで指標であり、数字だけでエンジニアを評価するとモチベーション低下を招く恐れがある(ツールの問題というより運用上の注意点)。
  • 連携ツールの制限: 主要なGitホスティングやチケット管理ツールには対応しているが、独自の社内ツールなどとの連携はAPI等で工夫が必要な場合がある。

7. 料金プラン

公式サイトに詳細な料金表は公開されていないため、以下は一般的な提供形態に基づく情報である。詳細は問い合わせが必要。

プラン名 料金 主な特徴
Standard / Enterprise 要問い合わせ 全機能を利用可能。導入規模(エンジニア数)に応じた見積もりとなる可能性が高い。
無料トライアル 無料 一定期間、主要機能を試用可能。
  • 課金体系: 分析対象となるエンジニア数やチーム数に応じた従量課金またはティア制と推測される。
  • 無料トライアル: あり。公式サイトから申し込み可能。

8. 導入実績・事例

  • 導入企業: 株式会社マネーフォワード、株式会社エーピーコミュニケーションズ、ITviec (ベトナム) など多数。
  • 導入事例:
    • マネーフォワード: 開発リードタイムの可視化により、ボトルネックを解消し、デプロイ頻度を向上。チーム間のナレッジシェアにも活用。
    • エーピーコミュニケーションズ: プラットフォームエンジニアリングの効果測定やGitHub Copilot導入による生産性向上の計測に活用。
  • 対象業界: Webサービス、SaaSベンダー、DX推進企業など、内製開発組織を持つ企業全般。

9. サポート体制

  • ドキュメント: 公式サイト上にヘルプセンター等は一般公開されていないが、導入企業向けに詳細なドキュメントやオンボーディング資料が提供されている。
  • コミュニティ: ユーザー向けのイベント「Findy Team+ Award」や各種セミナーを頻繁に開催し、ユーザー同士の知見共有を促進している。
  • 公式サポート: チャットやメールでのサポートに加え、導入企業にはカスタマーサクセス担当が付き、定着支援を行う場合がある。

10. エコシステムと連携

10.1 API・外部サービス連携

  • API: 公式ドキュメントにはAPIの一般公開に関する記載は限定的だが、各種ツールとの連携機能が主軸。
  • 外部サービス連携:
    • ソースコード管理: GitHub, GitLab
    • プロジェクト管理: Jira, ClickUp
    • コミュニケーション: Slack (通知連携など)
    • カレンダー: Google Calendar (ミーティング分析用)
    • ドキュメント: Notion

10.2 技術スタックとの相性

SaaS製品であり、分析対象の言語やフレームワークには依存しないが、Gitの利用が前提となる。

技術スタック 相性 メリット・推奨理由 懸念点・注意点
Git (GitHub/GitLab) 必須要件。プルリクエストベースの開発フローに最適化されている。 Subversion等は対象外。
Jira チケットとコミットを紐付け、より正確なリードタイム計測が可能。 設定が不十分だと紐付け精度が落ちる。
Notion ドキュメント作成活動も生産性の一部として可視化可能。 最近追加された機能のため、分析の深さは発展途上。

11. セキュリティとコンプライアンス

  • 認証: GitHubアカウント等を用いたSSO(シングルサインオン)に対応しているケースが多い。
  • データ管理: ソースコードそのものではなく、メタデータ(コミット日時、著者、行数など)を解析対象としているため、知的財産の流出リスクは比較的低い設計となっている。
  • 準拠規格: 詳細な取得認証は公式サイトで要確認だが、大手金融系企業(マネーフォワード等)での導入実績があることから、一定水準以上のセキュリティ要件を満たしていると考えられる。

12. 操作性 (UI/UX) と学習コスト

  • UI/UX: グラフやチャートが多用されたダッシュボード形式で、視覚的にわかりやすい。日本語UIであるため、国内ユーザーにとって直感的に操作できる。
  • 学習コスト: Four Keysなどの指標の意味を理解する必要があるが、ツール自体の操作は難しくない。むしろ「数字をどうチーム改善に活かすか」という運用面の学習コストが必要となる。

13. ベストプラクティス

  • 効果的な活用法 (Modern Practices):
    • 振り返りでの活用: レトロスペクティブでダッシュボードを画面共有し、事実(データ)に基づいて議論する。
    • ハイパフォーマーの分析: 成果を出しているチームや個人の行動パターンを分析し、ベストプラクティスとして横展開する。
  • 陥りやすい罠 (Antipatterns):
    • 個人評価への直結: 「コミット数が多い=優秀」といった短絡的な評価に使うと、ハック(無駄なコミット稼ぎ)を誘発し、組織文化を壊す。
    • 導入目的の不徹底: 何のために可視化するのかを現場に説明せずに導入すると、「監視ツール」として反発を招く。

14. ユーザーの声(レビュー分析)

  • 調査対象: 公式導入事例、企業テックブログ
  • 総合評価: G2等の海外サイトでのスコアは限定的だが、国内テックブログ等では高評価が多い。
  • ポジティブな評価:
    • 「感覚的だった『開発の遅れ』が数値化され、納得感を持って改善に取り組めるようになった」
    • 「スプリントごとの振り返りが、データに基づく建設的な議論に変わった」
    • 「他チームのパフォーマンスと比較することで、良い取り組みを真似する文化が生まれた」
  • ネガティブな評価 / 改善要望:
    • 「数字が一人歩きして『監視されている』と感じるエンジニアが出ないよう、導入時のコミュニケーションに気を使う必要がある」
    • 「特殊なワークフローを採用している場合、正しく数値が計測されないことがあるため設定のチューニングが必要」

15. 直近半年のアップデート情報

  • 2024-12-XX: Notion連携機能の強化。ドキュメント作成活動などのナレッジワークも可視化対象に。
  • 2024-11-XX: ミーティング分析機能(β版)のアップデート。会議時間と開発時間のバランス調整を支援。
  • 2024-11-XX: チームふりかえり機能(β版)の改善。KPTなどのフレームワークを用いた振り返りをスムーズに実施可能に。

(出典: Findy プレスリリースおよびニュース)

16. 類似ツールとの比較

16.1 機能比較表 (星取表)

機能カテゴリ 機能項目 Findy Team+ LinearB Sleuth Jellyfish
分析指標 Four Keys
標準対応・可視化充実

標準対応

DORA特化

対応可能
可視化 プロジェクト管理連携
Jira等対応

強力な連携機能

Jira等対応

ビジネス視点重視
UX/UI 日本語対応
完全ネイティブ

一部英語のみ

英語主体

英語主体
自動化 改善アクション
振り返り支援機能

WorkerBによる自動化

デプロイフロー連携

分析・レポート重視

16.2 詳細比較

ツール名 特徴 強み 弱み 選択肢となるケース
Findy Team+ 国内シェアNo.1級の開発生産性可視化ツール 完全日本語対応、豊富な国内事例、充実したサポート 海外製ツールに比べるとグローバルな連携エコシステムが限定的な場合がある 日本国内のエンジニア組織で、手厚いサポートを受けながら生産性向上に取り組みたい場合
LinearB グローバルで人気の工数・生産性分析ツール プロジェクト管理機能との強力な連携、自動化(WorkerB)による是正アクション 日本語対応が不十分な場合がある、国内商習慣への適合 グローバルチームで利用する場合や、高度な自動化ワークフローを求める場合
Sleuth DORA指標に特化した軽量な計測ツール 設定が簡単で、CI/CDパイプラインへの組み込みが容易 機能が指標計測に特化しており、組織マネジメント機能は少なめ まずはDORA指標(Four Keys)の計測だけをサクッと始めたい場合
Jellyfish エンジニアリングリソースの配分最適化に強み 経営層向けのレポート機能が充実、コスト換算などのビジネス視点 高機能ゆえに高価格帯である可能性、日本語サポート エンジニアリング組織のROIを経営層に説明する必要がある大規模組織

17. 総評

  • 総合的な評価: Findy Team+は、日本のエンジニアリング組織にとって最も導入しやすい開発生産性可視化プラットフォームの一つである。Four KeysやSPACEといった最新の指標を取り入れつつ、現場が使いやすいUIと手厚いサポートを提供している点が評価できる。単なる「監視ツール」ではなく、「チームの成長を支援するツール」という思想で設計されている。
  • 推奨されるチームやプロジェクト:
    • 開発プロセスのボトルネックを解消し、デプロイ頻度を上げたいアジャイル/スクラムチーム
    • 組織急拡大に伴い、マネジメントの質を均一化したい成長ベンチャー
    • エンジニアの評価制度に客観的な指標を取り入れたい企業
  • 選択時のポイント:
    • 「日本語でのサポートやコミュニティが必要か」(YesならFindy Team+一択に近い)
    • 「グローバル標準のツールとの連携や英語での運用が主体か」(その場合はLinearBなども検討候補)
    • 「予算規模」(問い合わせ必須だが、費用対効果をどう見積もるかが鍵)