Circleback 調査レポート

開発元: Circleback AI, Inc.
カテゴリ: ワークフロー自動化

会議の録音、文字起こし、要約、アクションアイテムの抽出を自動化するAIミーティングアシスタント。

Circleback 調査レポート

1. 基本情報

  • ツール名: Circleback (サークルバック)
  • 開発元: Circleback AI, Inc.
  • 公式サイト: https://circleback.ai/ (日本語: https://circleback.ai/ja/)
  • カテゴリ: AI議事録・会議アシスタント
  • 概要: Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Slackハドル、および対面での会議に対応したAIミーティングアシスタント。会議の録音、高精度な文字起こし、要約、アクションアイテムの抽出を自動化し、議事録作成の時間を大幅に削減する。

2. 目的と主な利用シーン

  • 目的: 会議内容の正確な記録、議事録作成の自動化、アクションアイテムの追跡漏れ防止、および会議データからのインサイト抽出。
  • 主な利用者: 営業チーム、カスタマーサクセス、プロダクトマネージャー、経営者、フリーランス。
  • 利用シーン:
    • 顧客との商談の記録とCRMへの自動入力。
    • チームの定例会議(スタンドアップ)でのタスク抽出。
    • 採用面接の記録と評価への活用。
    • 対面会議でのスマートフォンを用いた録音と議事録化。

3. 主要機能

  • マルチプラットフォーム対応: Zoom、Google Meet、Microsoft Teams、Webex、Slackハドルなどのオンライン会議に加え、モバイルアプリやデスクトップアプリを使用した対面会議の録音・文字起こしに対応。
  • 高精度な文字起こし: 100以上の言語に対応し、話者識別(スピーカーダイアリゼーション)を行う。ハイブリッド会議(複数人が1つのデバイスから参加)でも話者を区別可能。
  • AI要約とアクションアイテム: 会議の内容を構造化されたメモとして要約し、アクションアイテム(タスク)を自動検出して担当者を割り当てる。
  • Circleback Assistant: 過去の全会議データを対象に、「先週の会議でAさんが言っていたことは?」「プロジェクトBの進捗は?」といった質問に回答するAIエージェント機能。
  • 自動化ワークフロー: 会議終了後に特定のアクション(CRMの更新、Notionへの保存、Slackへの通知など)を自動実行する機能。
  • ボットレス録画: デスクトップアプリを使用することで、会議にボットを参加させることなく(ローカル録画のように)記録が可能。

4. 特徴・強み (Pros)

  • 高い日本語精度: 日本語の文字起こしと要約の精度が高く、国内ユーザーにも利用しやすい。UIも日本語化されている。
  • 柔軟な録音スタイル: ボットを参加させる方法と、デスクトップアプリでボットなしで録音する方法の双方が選べ、相手や状況に合わせた運用が可能。
  • 強力な連携機能: Notion、HubSpot、Salesforce、Linear、Monday.comなど、主要なビジネスツールと深く連携し、単なるテキスト保存だけでなく、データベース更新やタスク作成まで自動化できる。
  • 対面会議への対応: モバイルアプリが充実しており、オフラインの対面会議でも手軽に利用できる。

5. 弱み・注意点 (Cons)

  • 無料プランの制限: 永続的な無料プラン(Free Tier)はなく、7日間の無料トライアル後は有料プランへの移行が必要。
  • コスト: 個人利用の場合、月額25ドル(年払い約20ドル)からと、競合ツールと比較してやや高価格帯に位置する。
  • リアルタイム性: リアルタイム翻訳や字幕表示機能(Otter.aiなどが持つ機能)については、主な訴求点となっていない。

6. 料金プラン

  • 無料トライアル: 7日間(全機能利用可能)。
  • Individual (個人向け):
    • 月額 $25(年払い $20.83/月)
    • 無制限の会議記録、文字起こし、要約、アクションアイテム、動画再生、全連携機能。
  • Team (チーム向け):
    • 1ユーザーあたり月額 $30(年払い $25/月)
    • 個人プランの全機能に加え、チーム全体の会議検索、共同編集、管理機能、Slackハドル対応、カスタムデータ保持設定など。
  • Enterprise: カスタム価格(SSO、専任サポート、高度なセキュリティ管理)。

7. 導入実績・事例

  • 採用企業: TIME誌により「Best AI Meeting Tool」に選出された実績あり。RunwayなどのAI企業幹部からの推薦も公式サイトに掲載。
  • ユースケース: 営業チームでの商談記録の自動CRM連携、エンジニアチームでの仕様検討会議のLinearタスク化など。

8. サポート体制

  • ドキュメント: ヘルプセンター(英語)が充実しており、機能ごとのガイドがある。
  • 公式サポート: メールおよびアプリ内チャットでのサポートを提供。

9. 連携機能 (API・インテグレーション)

  • カレンダー: Google Calendar, Outlook Calendar。
  • CRM/SFA: HubSpot, Salesforce, Attio, Zoho CRM。
  • プロジェクト管理: Notion, Linear, Monday.com。
  • コミュニケーション: Slack (ハドル対応、チャンネル通知)。
  • 自動化: Zapier, Webhook。
  • その他: Raycast (拡張機能)。

10. セキュリティとコンプライアンス

  • 認証: SOC 2 Type II 認証取得済み。
  • 準拠規格: GDPR(一般データ保護規則)、HIPAA(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠。
  • データ管理: データの暗号化(保存時および転送時)。EU-U.S. データプライバシーフレームワークに準拠。

11. 操作性 (UI/UX) と学習コスト

  • UI/UX: シンプルで直感的なインターフェース。日本語に対応しており、カレンダー連携するだけで自動的に会議リストが表示されるため、導入障壁は低い。
  • 学習コスト: 自動化ワークフローの設定など高度な機能には多少の学習が必要だが、基本的な録音・要約機能はすぐに使いこなせる。

12. ユーザーの声(レビュー分析)

  • 調査対象: G2, Product Hunt, Reddit, 公式サイト。
  • ポジティブな評価:
    • 「文字起こしの精度が驚くほど高く、修正の手間がほとんどない」
    • 「アクションアイテムが自動でタスク管理ツール(LinearやNotion)に同期されるのが便利」
    • 「ボットを入れずに録画できるので、クライアントワークでも使いやすい」
  • ネガティブな評価 / 改善要望:
    • 「無料プランがないため、個人の軽い用途では導入しづらい」
    • 「時々、話者の分離が不正確になることがある(手動修正は可能)」

13. 直近半年のアップデート情報

  • 2025-12-11: モバイルアプリのウィジェットおよびアクションボタンからの録画開始に対応。
  • 2025-12-05: 企業(Company)単位での会議フィルタリング機能を追加。
  • 2025-11-18: Slack連携を強化し、「Ask Circleback」機能をSlack内で直接利用可能に。
  • 2025-10-31: ワークスペース機能の導入により、組織を複数のチームに分割して管理可能に。
  • 2025-10-28: メールの連携機能を追加し、会議参加者とのメールのやり取りをコンテキストとして取り込み可能に。
  • 2025-10-14: Circleback Assistantがカレンダー情報への質問(「次の会議はいつ?」など)に対応。
  • 2025-09-30: モバイルアプリでのメモ作成機能(会議前や会議中のプライベートメモ)を追加。
  • 2025-07-17: 「Circleback Assistant」のリリース。過去の全会議を対象とした横断的な検索とQ&Aが可能に。

14. 類似ツールとの比較

  • Microsoft 365 Copilot: Microsoftエコシステム(Teams, Outlook, Word)内でのシームレスな統合が強みだが、ZoomやGoogle Meetなど外部ツールとの連携の柔軟性ではCirclebackが優れる場合がある。
  • Zoom AI Companion: Zoomユーザーには追加費用なしで利用できる点が強みだが、対面会議や他の会議ツール(Teams, Meet)への対応範囲でCirclebackが勝る。
  • Otter.ai: リアルタイム文字起こしと英語圏での知名度が強み。Circlebackは構造化された要約やワークフロー自動化(CRM連携など)に重点を置いている点で差別化される。

15. 総評

  • 総合的な評価: Circlebackは、単なる文字起こしツールを超えた「会議ワークフローの自動化プラットフォーム」として非常に完成度が高い。特に、アクションアイテムの抽出から外部ツール(Notion, Linear, CRM)への連携までを自動化できる点は、業務効率化を求めるチームにとって大きなメリットである。日本語対応も進んでおり、国内企業での導入も十分に推奨できる。
  • 推奨されるチームやプロジェクト: 複数の会議ツール(Zoom, Meet, Teams)を併用しているチーム、商談記録をCRMに自動連携させたい営業チーム、会議後のタスク管理を自動化したいプロジェクトマネージャー。
  • 選択時のポイント: 無料プランがないため、コストをかけてでも質の高い要約と自動化による時間短縮を重視する場合に最適な選択肢となる。