Circleback 調査レポート
1. 基本情報
- ツール名: Circleback
- ツールの読み方: サークルバック
- 開発元: Circleback AI, Inc.
- 公式サイト: https://circleback.ai/
- 関連リンク:
- ドキュメント: https://support.circleback.ai/
- リリースノート: https://circleback.ai/releases
- レビューサイト: G2 | Product Hunt
- カテゴリ: AI議事録・会議アシスタント
- 概要: Circlebackは、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどのオンライン会議や対面会議に対応したAIミーティングアシスタントです。会議の自動録音、高精度な文字起こし、要約に加え、アクションアイテムの抽出と外部ツール(Notion, CRM等)への自動連携を行い、議事録作成とタスク管理の時間を大幅に削減します。2026年からはMCP (Model Context Protocol) にも対応し、外部AIからのデータアクセスが可能になりました。
2. 目的と主な利用シーン
- 解決する課題:
- 会議内容の記録漏れや議事録作成にかかる工数の削減。
- 会議で決定したアクションアイテム(タスク)の追跡忘れ防止。
- 過去の膨大な会議データからの情報検索とインサイト抽出。
- 想定利用者:
- 営業・カスタマーサクセス(商談記録とCRM連携)
- プロダクトマネージャー・エンジニア(仕様検討会議の記録とチケット化)
- 経営者・リーダー(チーム内の情報の透明化と共有)
- 利用シーン:
- 商談の自動CRM入力: 商談終了後、要約とネクストアクションをHubSpotやSalesforceに自動転送。
- 開発MTGのタスク化: 議論から発生したタスクを検出し、LinearやNotionに自動登録。
- AIエージェント連携: Claude DesktopやCursorから「先週のA社との会議での決定事項は?」と問い合わせてコーディングや資料作成に活用(MCP利用)。
3. 主要機能
- マルチプラットフォーム録音: ボットを参加させる自動録音に加え、デスクトップアプリを使用した「ボットレス録音」、モバイルアプリによる対面会議の録音に対応。
- 高度な文字起こしと要約: 100以上の言語に対応し、話者分離(ダイアリゼーション)も高精度。会議の要点を構造化されたメモとして生成。
- Circleback Assistant: 過去の全会議データを対象に、「プロジェクトXの進捗はどうなっている?」といった質問に回答するチャットAI機能。
- ワークフロー自動化: 「顧客へのデモ」タグがついた会議のみCRMに送信するなど、条件に基づいた高度な自動化ワークフローを構築可能。
- MCP (Model Context Protocol) 対応: 外部のAIクライアント(Claude Desktop, Cursor, Raycast等)からCircleback内の会議データに安全にアクセス可能。
- ビデオインテリジェンス: 録画データの再生、特定箇所へのジャンプ、クリップの切り出しと共有が可能。
4. 開始手順・セットアップ
- 前提条件:
- GoogleアカウントまたはMicrosoftアカウント(カレンダー連携用)
- Mac/Windows PC(デスクトップアプリ利用時)またはiOS/Android端末(モバイル利用時)
- 導入手順:
- 公式サイトからサインアップし、Google/Microsoftカレンダーを連携する。
- 自動的に参加させたい会議の条件(外部会議のみ、主催会議のみ等)を設定する。
- 必要に応じてデスクトップアプリをインストールする。
- 初期設定:
- Integrations: Slack, Notion, Linearなどの外部ツールを連携設定する。
- Vocabulary: 専門用語や社内用語を登録して文字起こし精度を向上させる。
- クイックスタート:
- 直近の会議がカレンダーにあれば、ダッシュボードから「Join」または「Record」をクリックして録音を開始。
- 会議終了後、数分で要約とアクションアイテムが生成されるのを確認する。
5. 特徴・強み (Pros)
- AI開発フローへの統合 (MCP): 他社ツールに先駆けてMCP (Model Context Protocol) に対応しており、エンジニアが普段使うエディタ(Cursor)やAIツール(Claude)から会議コンテキストを直接利用できる点が独自の強み。
- 柔軟な録画スタイル: 「ボットを会議に入れたくない」というニーズに応えるデスクトップアプリ録画(ローカル録音のような挙動)が可能。
- 強力な外部連携: 単なるテキスト送信だけでなく、NotionデータベースのプロパティマッピングやLinearのチケット作成など、深いレベルでのAPI連携が可能。
- 高い日本語精度: 多言語対応モデルを採用しており、日本語の会話でも高精度な分離と要約が可能。
6. 弱み・注意点 (Cons)
- 完全無料プランの不在: 7日間のトライアル後は有料プラン(月額$25〜)への移行が必要で、Zoom AI Companionのような「既存ライセンスにおまけで付いてくる」ツールに比べるとコストがかかる。
- リアルタイム翻訳の欠如: 同時通訳的なリアルタイム翻訳機能は現在のところ主要機能として強調されていない。
- オンプレミス非対応: クラウドSaaSであるため、極めて厳格なセキュリティ規定(完全オンプレミス必須など)がある組織では導入が難しい場合がある。
7. 料金プラン
| プラン名 | 料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| Individual | $25/月 (月払い) $20.83/月 (年払い) |
会議数無制限、文字起こし・要約、MCP利用、主要な外部連携(Slack, Notion, Linear等)。 |
| Team | $30/ユーザー/月 (月払い) $25/ユーザー/月 (年払い) |
Individualの全機能に加え、チーム共有、横断検索、管理機能、Slackハドル対応、SSO。 |
| Enterprise | カスタム価格 | Teamの全機能に加え、優先サポート、高度なセキュリティ管理、オンボーディング支援。 |
- 課金体系: ユーザー単位の月額/年額課金。
- 無料トライアル: 7日間のフリートライアルあり(機能制限なし)。
8. 導入実績・事例
- 導入企業: TIME誌「Best Inventions of 2024」選出。Runway, DescriptなどのAI先進企業での利用実績あり。
- 導入事例:
- 営業チーム: 商談後のSalesforce入力作業を自動化し、1日あたり30分以上の工数を削減。
- 開発チーム: スタンドアップミーティングの内容を自動でLinearタスク化し、漏れを防止。
- 対象業界: テクノロジー、コンサルティング、営業組織を持つ全業界。
9. サポート体制
- ドキュメント: Help Centerにて機能ごとのガイドを提供(英語中心)。
- コミュニティ: 明確な公式コミュニティはないが、X (Twitter) 等での発信が活発。
- 公式サポート: アプリ内のチャットおよびメールサポートに対応。Enterpriseプランでは優先サポートあり。
10. エコシステムと連携
10.1 API・外部サービス連携
- API: Webhookによる連携が可能で、会議終了時にデータを自社システムに送信できる。
- 外部サービス連携: Slack, Notion, HubSpot, Salesforce, Linear, Monday.com, Attio, Zapierなど、主要なSaaSと標準連携。
- MCP: Claude Desktop, Cursor, RaycastなどのMCPクライアントと連携可能。
10.2 技術スタックとの相性
| 技術スタック | 相性 | メリット・推奨理由 | 懸念点・注意点 |
|---|---|---|---|
| MCP (Cursor/Claude) | ◎ | 公式にMCPサーバーを提供。会議内容をコーディングやドキュメント作成に直接活用可能。 | MCP自体の普及が初期段階である点。 |
| Webhook / API | ◯ | 会議完了イベント等をトリガーに自社システムへデータ連携が可能。 | 詳細なREST APIドキュメントは要確認。 |
| Zapier | ◎ | 公式Integrationがあり、ノーコードで他ツールと接続可能。 | タスク数によるZapier側のコスト増。 |
11. セキュリティとコンプライアンス
- 認証: Google / Microsoft SSO対応。Team/Enterpriseプランでは高度な管理が可能。
- データ管理: データは暗号化されて保存される (Encryption at rest and in transit)。
- 準拠規格: SOC 2 Type II 認証取得済み。GDPRおよびHIPAA準拠。
12. 操作性 (UI/UX) と学習コスト
- UI/UX: 2026年1月にデザインが刷新され、よりモダンで視認性の高いインターフェースになった。日本語UIにも対応しており直感的に操作できる。
- 学習コスト: 基本的な「録音→要約確認」の流れは学習不要。自動化ワークフローの設定は多少の慣れが必要だが、ノーコードで完結する。
13. ベストプラクティス
- 効果的な活用法 (Modern Practices):
- MCPによるコンテキスト活用: 開発者はCursorなどのエディタにCirclebackを接続し、「昨日の仕様決め会議の内容に基づいてコードを修正して」といった指示を出すことで、記憶に頼らない開発が可能になる。
- 自動化ワークフローの階層化: 全会議をSlackに通知しつつ、重要な商談のみCRMに送るなど、フィルタリングを活用して情報のノイズを減らす。
- 陥りやすい罠 (Antipatterns):
- 全会議への無差別なボット参加: 1on1などの機密性の高い会議に誤ってボットを参加させないよう、カレンダー設定でプライバシー制御を行う(デスクトップアプリの活用を推奨)。
14. ユーザーの声(レビュー分析)
- 調査対象: G2, Product Hunt, X (Twitter)
- 総合評価: 4.8/5.0 (G2)
- ポジティブな評価:
- 「他のツールと比較しても文字起こしの精度が段違いに良い。」
- 「Linearとの連携が神機能。会議からそのままチケットが切れるのでPM業務が楽になった。」
- 「ボットを入れずに録画できるのが相手に圧迫感を与えなくて良い。」
- ネガティブな評価 / 改善要望:
- 「無料プランがないので、個人の趣味プロジェクトでは使いづらい。」
- 「たまに話者の分離が間違っていることがある(手動修正は簡単だが)。」
- 特徴的なユースケース:
- 採用面接の記録をATS(採用管理システム)に自動転送し、面接官の評価記入の手間を省く。
15. 直近半年のアップデート情報
- 2026-01-27: 新デザインの適用 インターフェース全体が刷新され、視認性と操作性が向上。
- 2026-01-13: Circleback MCPのリリース Model Context Protocolに対応し、ClaudeやCursorなどの外部AIツールから会議データへのアクセスが可能に。
- 2026-01-07: キーボードフィルタリングの高速化
Fキーでのフィルター起動など、キーボード操作による会議検索・絞り込みが高速化。 - 2025-12-23: 非アクティブメンバーの会議所有権取得 退職者などの会議データを管理者が引き継げる機能を追加。
- 2025-12-05: 会社名によるフィルタリング 会議一覧を「会社(Company)」単位でフィルタリングできる機能を追加。
(出典: Circleback Releases)
16. 類似ツールとの比較
16.1 機能比較表 (星取表)
| 機能カテゴリ | 機能項目 | Circleback | Microsoft 365 Copilot | Otter.ai | Zoom AI Companion |
|---|---|---|---|---|---|
| 基本機能 | 文字起こし・要約 | ◎ 高精度・多言語 |
◎ Teams統合 |
◎ 英語に強い |
◯ Zoom内のみ |
| 連携 | 外部ツール連携 | ◎ Notion, Linear, CRM等 |
△ MS製品中心 |
◯ Slack等 |
△ 限定的 |
| 開発者向け | MCP対応 | ◎ Cursor/Claude連携 |
△ Work IQ等で対応中 |
× | × |
| 柔軟性 | プラットフォーム | ◎ Zoom/Meet/Teams/対面 |
△ Teams主体 |
◎ Web/Mobile |
△ Zoom主体 |
16.2 詳細比較
| ツール名 | 特徴 | 強み | 弱み | 選択肢となるケース |
|---|---|---|---|---|
| Circleback | マルチプラットフォーム&開発者フレンドリー | MCP対応、Linear/Notion連携、ボットレス録画。 | 無料プランなし。 | エンジニアやPMなど、外部ツール連携やAI開発フローへの統合を重視する場合。 |
| Microsoft 365 Copilot | MSエコシステム統合型 | Officeアプリや組織データとの深い連携。セキュリティ。 | コストが高い、他社会議ツールとの連携が弱い。 | 組織全体でMicrosoft 365を利用しており、Teams会議がメインの場合。 |
| Otter.ai | 議事録特化の老舗 | リアルタイム文字起こし、英語認識精度、知名度。 | 構造化された要約やワークフロー自動化はCirclebackに劣る。 | 英語会議がメインで、リアルタイムでの文字起こし確認を重視する場合。 |
| Zoom AI Companion | Zoom内蔵型 | Zoomユーザーなら追加コストなしで利用可能。 | Zoom以外の会議や対面会議には対応していない。 | 会議がZoomに限定されており、追加コストをかけずにAI要約を使いたい場合。 |
17. 総評
- 総合的な評価: Circlebackは、単なる議事録ツールから「AIワークフローの中核」へと進化しています。特に2026年のMCP対応により、会議データを開発環境(Cursor)や汎用AI(Claude)から直接利用できるようになった点は、エンジニアやプロダクトマネージャーにとって画期的です。高精度な日本語対応と強力なSaaS連携も含め、現時点で最も「使える」会議アシスタントの一つと言えます。
- 推奨されるチームやプロジェクト:
- 複数の会議ツール(Zoom, Meet, Teams)が混在している組織。
- LinearやNotionを活用しているモダンな開発チーム・プロダクトチーム。
- 商談データをCRMに自動連携させたい営業チーム。
- 選択時のポイント: ZoomやTeamsの純正機能(AI Companion / Copilot)で満足できない場合や、会議データを他ツールで積極的に活用したい場合に最適な選択肢です。無料プランがないため、月額$25の価値を見出せるか(例えば月1時間の工数削減で元が取れるか)が判断基準となります。