AWS MCP Servers 調査レポート

開発元: AWS Labs
カテゴリ: 開発者ツール

AWSリソースやドキュメントをModel Context Protocol (MCP) を通じてAIアシスタントに接続するための公式サーバー群

総合評価
83点
基準点70点からの評価
オープンソース
OSS
無料プラン
あり
最低価格
無料
対象ユーザー
AWS利用者開発者AIエンジニア
更新頻度
🆕 最新情報: CloudFormation, Bedrock, ドキュメント検索など9種のサーバーが公開

📋 評価の詳細

👍 加点項目

  • +5 AWS公式のMCPサーバーであり、信頼性が高い
  • +5 ドキュメント検索からIaC、AIサービス連携まで幅広いユースケースをカバー
  • +3 オープンソースとして公開されており、カスタマイズが可能
総評: AWSを利用するすべてのAI開発者にとって、環境構築や情報検索を劇的に効率化する必須ツール

AWS MCP Servers 調査レポート

1. 基本情報

  • ツール名: AWS MCP Servers
  • ツールの読み方: エーダブリューエス エムシーピー サーバーズ
  • 開発元: AWS Labs
  • 公式サイト: https://awslabs.github.io/mcp/
  • 関連リンク:
  • カテゴリ: 開発者ツール / AWS
  • 概要: AWS MCP Serversは、Model Context Protocol (MCP) に準拠した公式のMCPサーバー群です。これを使用することで、Claude DesktopやCursorなどのMCP対応クライアントから、AWSのリソース管理、CloudFormationによるデプロイ、Amazon Bedrockの利用、AWSドキュメントの検索などを直接行うことが可能になります。

2. 目的と主な利用シーン

  • 解決する課題:
    • AIアシスタントがAWSの最新情報やアカウント内のリソース状況を把握していない。
    • AWSコンソールとエディタを行き来するコンテキストスイッチのコスト。
    • CloudFormationテンプレートの作成やデバッグに手間がかかる。
  • 想定利用者:
    • AWSを利用してアプリケーションを開発・運用するエンジニア
    • クラウドインフラをコード管理しているSRE/DevOpsエンジニア
  • 利用シーン:
    • ドキュメント検索: “S3のライフサイクルポリシーの設定方法は?” とAIに尋ねて、最新の公式ドキュメントに基づいた回答を得る。
    • インフラ構築: 自然言語で指示してCloudFormationテンプレートを生成・デプロイする。
    • トラブルシューティング: アカウント内のリソース状態(EC2インスタンスのステータスなど)をAIに確認させる。
    • AI機能の統合: Amazon BedrockのKnowledge Basesを利用してRAGアプリを開発する。

3. 主要機能

AWS MCP Serversは複数のサーバー実装を含んでいます:

  • AWS Documentation MCP Server: AWSの公式ドキュメントを検索・参照する機能。
  • AWS CloudFormation MCP Server: CloudFormationスタックの作成、更新、リソース情報の取得。
  • Amazon Bedrock Context Retrieval MCP Server: Bedrock Knowledge Basesからの情報取得。
  • Amazon Bedrock Agent Runtime MCP Server: Bedrock Agentsの実行。
  • AWS HealthOmics MCP Server: ヘルスケアデータのワークフロー実行。
  • AWS Pricing MCP Server: AWSサービスの料金情報の取得(Q/A形式)。
  • Amazon MQ MCP Server: メッセージブローカーの管理。
  • DocumentDB MCP Server: DocumentDBの管理。
  • Core MCP Server: AWS SDK (v3) をラップし、汎用的なAWS APIコールを可能にするサーバー。

4. 開始手順・セットアップ

  • 前提条件:
    • Node.js (v18以上)
    • AWS CLIの設定済み(~/.aws/credentials
    • MCP対応クライアント(Claude Desktop, Cursorなど)
  • インストール/導入: リポジトリをクローンし、必要なサーバーをビルドしてクライアント設定に追加する。 npx を使用した直接実行も可能。 例(Claude Desktopの設定):
    {
      "mcpServers": {
        "aws-kb": {
          "command": "npx",
          "args": ["-y", "@awslabs/mcp-server-bedrock-kb", "--region", "us-east-1", "--kb-id", "YOUR_KB_ID"]
        }
      }
    }
    
  • 初期設定:
    • AWSの認証情報は標準のプロファイル(default)または環境変数を使用する。
  • クイックスタート:
    • 公式ドキュメントの “Getting Started” に従い、まずは aws-documentation-mcp-server を設定してドキュメント検索を試すのが推奨される。

5. 特徴・強み (Pros)

  • AWS公式: AWS Labsが開発しており、AWSのベストプラクティスに沿った実装が期待できる。
  • 包括的な機能: 単なるAPIラッパーにとどまらず、IaC (CloudFormation) やAI (Bedrock) といったモダンな開発フローを支援するサーバーが揃っている。
  • 安全性: クライアント(Claudeなど)を介してHuman-in-the-loop(人間の承認)を経て実行されるため、意図しないリソース操作を防げる。

6. 弱み・注意点 (Cons)

  • 設定の複雑さ: 複数のサーバーが含まれており、それぞれ個別に設定が必要な場合がある。
  • コスト: サーバー自体の利用は無料だが、背後で実行されるAWS API呼び出し(特にBedrockなど)には通常のAWS利用料が発生する。
  • 開発段階: まだ新しいプロジェクトであり、頻繁な更新や仕様変更の可能性がある。

7. 料金プラン

プラン名 料金 主な特徴
OSS 無料 GitHubで公開されており、利用自体は無料。
  • 課金体系: AWSリソースの利用料(APIリクエスト、インスタンス稼働、Bedrockトークン料など)は別途AWSアカウントに課金される。

8. 導入実績・事例

  • 導入企業: 公開直後のため具体的な企業名はまだ少ないが、多くのAWS開発者が検証を行っている。
  • コミュニティ: GitHubのStar数は増加傾向にあり、AWSブログでも紹介されている。

9. サポート体制

  • ドキュメント: GitHub Pages上の公式ドキュメントが充実している。
  • コミュニティ: GitHub IssuesやDiscussionsでの報告・議論が可能。
  • 公式サポート: AWS Labsプロジェクトであるため、通常のAWSサポート(ビジネスサポート等)の対象外となる場合がある点に注意(あくまでOSSとしての提供)。

10. エコシステムと連携

10.1 API・外部サービス連携

  • API: MCPプロトコル経由でAWS SDK for JavaScript v3を利用。
  • 外部サービス連携: 各種AWSサービス (S3, Lambda, DynamoDB, Bedrock, etc.)。

10.2 技術スタックとの相性

技術スタック 相性 メリット・推奨理由 懸念点・注意点
Node.js 実装言語であり、親和性が高い。 特になし。
Python MCPは言語非依存のため利用可能。 サーバー自体はTS実装が多い。
AWS CDK 現状はCloudFormationサーバーが主。 CDKとの直接連携は今後の課題か。

11. セキュリティとコンプライアンス

  • 認証: AWS CLI (~/.aws/credentials) の認証情報を利用するため、IAMロールやMFAの設定がそのまま適用される。
  • データ管理: ローカルで動作するため、認証情報が外部サーバーに送信されることはない。
  • 準拠規格: AWSのセキュリティ基準に準拠したSDKを使用。

12. 操作性 (UI/UX) と学習コスト

  • UI/UX: AIとのチャットインターフェースで完結するため、CLIやコンソールを行き来する必要がなく、操作性は高い。
  • 学習コスト: MCPのセットアップさえできれば、あとは自然言語で操作できるため学習コストは低い。ただしAWSの基礎知識は必要。

13. ベストプラクティス

  • 効果的な活用法 (Modern Practices):
    • 最小権限の原則: MCPサーバーを実行するプロファイルには、AdministratorAccessではなく、必要な操作のみを許可したIAMポリシーを付与する。
    • ドキュメントサーバーの常駐: 開発中は常にドキュメントサーバーを有効にしておき、ハルシネーションを防ぐ。
  • 陥りやすい罠 (Antipatterns):
    • 本番環境への直結: 誤操作のリスクがあるため、まずは開発環境(Sandboxアカウント)で試用する。

14. ユーザーの声(レビュー分析)

  • 調査対象: X (Twitter), GitHub
  • 総合評価: AWSと生成AIを組み合わせる開発者から高い期待を集めている。
  • ポジティブな評価:
    • 「ドキュメント検索が便利すぎる、もう検索窓はいらない」
    • 「CloudFormationのデプロイまでチャットで完結するのは未来感がある」
  • ネガティブな評価 / 改善要望:
    • 「セットアップ手順が少し長い」
    • 「もっと多くのサービスに対応してほしい」

15. 直近半年のアップデート情報

  • 2024-11: AWS MCP Servers 初回リリース。主要なサーバー群(Documentation, CloudFormation, Bedrock)が公開。

(出典: GitHub Releases)

16. 類似ツールとの比較

16.1 機能比較表 (星取表)

機能カテゴリ 機能項目 AWS MCP Servers AWS CLI AWS Console
インターフェース 自然言語操作
AI経由
×
コマンド
×
GUI
情報取得 ドキュメント統合
即座に検索
×
不可

別タブで検索
自動化 複数手順の実行
AIが推論

スクリプト化要
×
手動

16.2 詳細比較

ツール名 特徴 強み 弱み 選択肢となるケース
AWS MCP Servers AIエージェント向けインターフェース 自然言語でリソース操作・情報検索が可能。コンテキストスイッチ不要。 まだ対応していない操作がある。 AIアシスタント(Claude/Cursor)を使いながらAWS開発を行う場合。
AWS CLI コマンドラインツール 全機能を網羅し、スクリプト化が容易。 コマンドやオプションを覚える必要がある。 定型作業の自動化や、厳密な操作が必要な場合。
AWS Console Web管理画面 視覚的にリソースを確認・設定できる。 手順が多く、再現性がない。 全体像の把握や、GUIでの設定が楽なサービスを利用する場合。

17. 総評

  • 総合的な評価: AWS MCP Serversは、AWS開発の体験を「検索・調査・コマンド実行」のサイクルから「対話・指示・確認」のサイクルへと変革するツールである。特にドキュメントサーバーとBedrock連携は、開発効率を大きく向上させるポテンシャルがある。
  • 推奨されるチームやプロジェクト:
    • 生成AIを活用した開発フローを積極的に取り入れているチーム。
    • AWS上での開発頻度が高いエンジニア。
  • 選択時のポイント:
    • 既存のAWS CLI/CDKワークフローを完全に置き換えるものではなく、AIによる「ブースト」として導入するのが良い。