Autify 調査レポート

開発元: オーティファイ株式会社
カテゴリ: 🧪 テスト自動化SaaS

AIエージェントとノーコードを活用した次世代QAプラットフォーム。テスト設計の標準化から自動実行、運用までを包括的に支援します。

総合評価
87点
基準点70点からの評価
オープンソース
非公式・商用
無料プラン
なし
最低価格
個別見積もり
対象ユーザー
QAエンジニア開発者プロダクトマネージャーエンタープライズ企業
更新頻度
🆕 最新情報: 2026年3月にQAマネージドサービス「Autify AI Coworker」、4月にテスト設計標準化プラットフォーム「Autify Genesis」の新バージョンをリリース

📋 評価の詳細

👍 加点項目

  • +5 AIによるテストの自動修復機能と、チャットでのテスト作成が強力
  • +5 Autify Genesisにより、テスト実行だけでなく上流のテスト設計・計画の自動化と標準化もカバー
  • +5 AIエージェントとプロフェッショナルが伴走する「Autify AI Coworker」でスケーラブルなQA体制を構築可能
  • +5 BYOKやセルフホストなどエンタープライズのセキュリティ要件に柔軟に対応

👎 減点項目

  • -3 料金が個別見積もりのため、導入前の費用感がつかみにくい
総評: 従来のノーコード自動化から「次世代QAマネージドプラットフォーム」へ進化。AIを活用し設計から実行まで幅広くカバーするが、予算の確認が必要。

Autify 調査レポート

1. 基本情報

  • ツール名: Autify
  • ツールの読み方: オーティファイ
  • 開発元: オーティファイ株式会社 (Autify, Inc.)
  • 公式サイト: https://autify.jp/
  • 関連リンク:
  • カテゴリ: テスト/QA
  • 概要: Autifyは、AIを活用した次世代QA(品質保証)プラットフォームです。ノーコードおよびチャットでのテスト実行自動化(Autify Nexus)、AIを活用したテスト設計の標準化(Autify Genesis)、およびAIエージェントと専門家によるQAマネージドサービス(Autify AI Coworker)を提供し、ソフトウェア開発ライフサイクル全体を支援します。

2. 目的と主な利用シーン

  • 解決する課題: ソフトウェア開発におけるテスト工程の工数増大、テスト設計・計画フェーズの属人化、UI変更に伴うテストの頻繁な修正作業、品質とスピードのトレードオフ。
  • 想定利用者: QAエンジニア、開発者、プロダクトマネージャー (PdM)、エンタープライズ企業のQA部門・情報システム部門。
  • 利用シーン:
    • 仕様書や要件定義書からの、AIを活用した網羅的なテストケースやワークフローの自動生成・標準化(Autify Genesis)
    • Web/モバイルアプリケーションのE2Eテストや回帰テストのノーコード/チャット指示による自動化(Autify Nexus)
    • QA人材が不足する組織での、テスト設計から実行、リリース判定までの包括的なアウトソース(Autify AI Coworker)
    • アジャイル開発におけるスプリントごとの継続的な品質保証とカバレッジ向上

3. 主要機能

  • AIエージェントによるテスト自動生成(Autify Genesis): 仕様書や要件定義書などをインプットし、自然言語で指示を出すことで網羅的なテストケースやワークフローを自動生成します。
  • ノーコード&チャットテスト作成(Autify Nexus): 自然言語での指示や、レコーダーを使用した直感的な画面操作で、プログラミング知識なしでテストシナリオを作成できます。
  • AIによる自動修復 (セルフヒーリング): アプリケーションのUI変更をAIが検知し、テストシナリオを自動で修復・追従します。
  • 高速・並列でのテスト無制限実行: クラウド上の多様な環境で回数無制限かつ並列にテストを実行でき、CI/CDに組み込んで開発サイクルを加速します。
  • マネージドQAサービス(Autify AI Coworker): テスト設計から実行、リリース判定までのQA業務を一気通貫でAutifyの専門家とAIエージェントに委託できます。
  • ビジュアルリグレッションテスト: 画面の見た目の変化をピクセル単位で検出し、意図しないデザイン崩れを防ぎます。
  • Eメールテスト: テスト中に送信されるメールの内容(リンクや認証コードなど)を検証する機能を提供します。
  • Autify Connect: ローカル環境やプライベートネットワーク内のアプリケーションに対して、セキュアにテストを実行できます。

4. 開始手順・セットアップ

  • 前提条件:
    • Chromeブラウザ(テスト作成用の拡張機能が必要)
    • Autifyアカウント(公式サイトより申し込み)
  • インストール/導入:
    • ChromeウェブストアからAutify Recorder拡張機能をインストールします。
  • 初期設定:
    • ワークスペースの作成と、テスト対象アプリケーションのURL設定を行います。
  • クイックスタート:
    1. 「新規シナリオ」を作成し、開始URLを入力。
    2. 「レコーディング開始」を押して、ブラウザ上でテストしたい操作を実行。
    3. 操作完了後に「保存」し、「今すぐ実行」でテストを再生して確認。

5. 特徴・強み (Pros)

  • テスト設計から実行までの包括的なAI支援: テスト実行(Nexus)だけでなく、仕様書からのテスト設計・ワークフロー生成(Genesis)まで、QA工程の上流からAIを活用して工数を削減します。
  • 「AI×プロ」のハイブリッドマネージド体制: Autify AI Coworkerにより、AIのスピードと専門家の品質戦略を組み合わせたスケーラブルなQAアウトソースが可能です。
  • AIによる高いメンテナンス性: UI変更に強く、テストシナリオの自動修復機能により、長期的な運用・保守コストを大幅に削減できます。
  • 国産ツールならではの手厚いサポート: 日本語での迅速なカスタマーサポート、充実したドキュメント、実装コンサルティングなどの導入支援が提供されています。

6. 弱み・注意点 (Cons)

  • 料金が非公開: 料金プランがWebサイトで公開されておらず、各種プロダクト・マネージドサービスを含めて個別見積もりとなるため、導入前の費用感を把握しにくいです。
  • 複雑なロジックのテスト: Playwrightステップ等でコードを記述することも可能ですが、基本的にはノーコード/AIチャット指示中心のため、極めて複雑な条件分岐には工夫が必要です。
  • APIテスト機能の限定性: 基本的なWeb UIテストに特化しており、API単体のテスト機能などはAPI特化のツールに比べてシンプルです。
  • 日本語対応: 完全対応しており、ドキュメントやサポートも日本語で提供されています。

7. 料金プラン

料金は公式サイトで公開されておらず、製品構成(Autify Nexus / Genesis / AI Coworker)やチーム規模に応じた個別見積もりとなっています。テストの実行回数やユーザー数による課金はありません。

プラン名 料金 主な特徴
Autify Nexus (Lite/Business/Enterprise) 個別見積もり クラウドサーバー上に保存する「共有シナリオ数」に基づく課金。実行回数は無制限。
Autify Genesis (Cloud) 個別見積もり Autifyのクラウド環境で動作。ユーザー・ワークフロー無制限、LLMは顧客が用意。
Autify Genesis (Self-hosted) 個別見積もり 自社環境内にホストし、より高度なガバナンスとセキュリティ要件に対応。
Autify AI Coworker 個別見積もり テスト設計〜実行をAIとAutifyの専門チームが代行する包括的なQAマネージドサービス。
  • 課金体系: 共有シナリオ数、並列実行数(1〜3並列以上)、必要なオプションやサービスに応じたサブスクリプション形式。
  • 無料トライアル: 提供の有無や詳細については、デモ・導入相談を通じた問い合わせが必要です。

8. 導入実績・事例

  • 導入企業: freee、ディー・エヌ・エー(DeNA)、ユーザベース、エムスリー、ミラティブなど。
  • 導入事例: 「リグレッションテスト工数を90%削減」「月間100時間以上の作業工数削減」「開発者が開発に集中できるようになった」などの成果が報告されています。
  • 対象業界: SaaS、EC、金融、メディアなど、多岐にわたる業界で利用されています。

9. サポート体制

  • ドキュメント: 日本語のヘルプセンターやリリースノートが非常に充実しています。
  • コミュニティ: ユーザーコミュニティ(Autifier Community)が存在し、ユーザー同士での情報交換が可能です。
  • 公式サポート: チャットおよびメールによる日本語サポートが提供されます。

10. エコシステムと連携

10.1 API・外部サービス連携

  • API: テスト実行などを外部から制御するためのAPIが提供されており、CI/CDツールとの連携を柔軟に行えます。
  • 外部サービス連携: Slack, TestRail, Jenkins, CircleCI, GitHub Actions, GitLab CI/CD, Microsoft Teams, Webhookなど。また、Autify GenesisではMCP (Model Context Protocol) 経由での連携にも対応しており、既存ツールからシームレスに情報を取得できます。

10.2 技術スタックとの相性

技術スタック 相性 メリット・推奨理由 懸念点・注意点
React / Vue / Angular DOM構造の変化にAIが追従するため相性が良い Shadow DOMなどの扱いに注意が必要な場合がある
Next.js / Nuxt SPA/SSR問わずE2Eテストが可能 動的なID生成に対してはAIが有効に機能する
Flutter / React Native モバイル版Autifyでテスト可能 一部のネイティブ固有の操作に制限がある場合も

11. セキュリティとコンプライアンス

  • 認証: 2段階認証(2FA)、シングルサインオン(SSO)に対応しています。
  • データ管理: データは暗号化され、安全に管理されています。Autify GenesisではBYOK (Bring Your Own Key) やセルフホスト(Self-hosted deployment)にも対応し、機密データを外部に送出せずに利用可能です。
  • 準拠規格: ISO 27001 (ISMS), SOC 2 Type 2 の認証を取得しています(GenesisのSOC 2 Type 2取得は2026年秋頃を予定)。

12. 操作性 (UI/UX) と学習コスト

  • UI/UX: 直感的なインターフェースで、専門知識がないユーザーでもテストの作成・管理がしやすいように設計されています。レコーディングツールも使いやすく洗練されています。
  • 学習コスト: ノーコードが中心のため学習コストは低いです。基本的な操作は数時間で習得可能ですが、効率的なテスト設計にはQAの知識が役立ちます。

13. ベストプラクティス

  • 効果的な活用法 (Modern Practices):
    • ステップグループの活用: ログイン処理やナビゲーション操作など、複数のシナリオで共通する手順を「ステップグループ」として部品化し、再利用性を高めることで修正時の工数を最小化できます。
    • データ駆動テスト (DDT): CSVアップロード機能を利用し、同じテストロジックに対して異なる入力データを流し込むことで、テストカバレッジを効率的に拡大できます。
    • ID属性の明示的付与: テスト対象のHTML要素に data-test-id などの属性を付与することで、AIによる要素特定の精度をさらに高め、誤検知を防ぐことができます。
  • 陥りやすい罠 (Antipatterns):
    • 巨大なモノリシックシナリオ: 1つのシナリオで「会員登録から購入、退会まで」を一気に通そうとすると、途中で失敗した際の原因切り分けが困難になります。機能ごとにシナリオを分割すべきです。
    • 固定ウェイトの多用: Sleep (固定時間待機) を多用すると、ネットワーク状況によってテストが不安定になります。Autifyの「要素が表示されるまで待つ」などのスマートウェイティング機能を活用すべきです。

14. ユーザーの声(レビュー分析)

  • 調査対象: G2, ITreview
  • 総合評価: 4.5/5.0 (G2)
  • ポジティブな評価:
    • 「AIのセルフヒーリング機能のおかげで、UI変更時の修正工数が激減した」
    • 「エンジニアでなくても直感的に操作でき、QAチーム全体でテストを作成できるようになった」
    • 「日本語サポートが非常に丁寧で、困ったときにすぐに助けてもらえる」
  • ネガティブな評価 / 改善要望:
    • 「料金プランが明確でなく、スモールスタートしたい場合にハードルが高い」
    • 「特定のiframeや複雑なShadow DOM構造で要素が認識されにくい場合がある」
    • 「テスト実行速度が混雑時に少し遅く感じることがある」
  • 特徴的なユースケース:
    • ビジネス職(PdMやCS)が、新機能の受け入れテストを自ら作成し、仕様理解と品質確認を同時に行うケース。

15. 直近半年のアップデート情報

  • 2026-04-16: Autify Genesis 大幅刷新: 自然言語によるワークフロー自動生成、エンタープライズ向けトレーサビリティ強化、BYOK/セルフホスト対応などの新バージョンをリリースしました。
  • 2026-03-17: Autify AI Coworker 提供開始: AIの実行力と専門家の指揮を融合し、テスト時間を最大86%短縮できる次世代QAマネージドサービスを提供開始しました。
  • 2026-03-12: ULSコンサルティングとパートナーシップ締結: AI駆動型のソフトウェア開発ライフサイクル標準化に向けたパートナーシップを締結しました。
  • 2026-01-27: 日鉄ソリューションズとリセールパートナー契約締結: 生成AIテスト自動化プラットフォームとしての展開をさらに加速。
  • 2025-12-16: DXCテクノロジー・ジャパンと戦略的パートナーシップ契約締結: エンタープライズ向けの導入支援・コンサルティング体制を強化。
  • 2025-12-16: Autify CLI (v0.65.0) リリース: ローカルデバイスでの実行時に、より詳細なログが出力されるように改善されました。
  • 2025-10-23: Playwright Recorder ガイド公開: テスト作成の幅を広げるための技術ガイドが提供されました。

(出典: Autify お知らせ一覧, Autify Release Notes)

16. 類似ツールとの比較

16.1 機能比較表 (星取表)

機能カテゴリ 機能項目 Autify mabl MagicPod Selenium
基本機能 ノーコード作成
Nexusで直感的

ローコード

直感的
×
コード必須
カテゴリ特定 テスト設計・AI自動生成
Genesisで自動化

AIサポートのみ

AIテスト生成あり
×
なし
カテゴリ特定 AI自動修復
高精度

高精度

高精度
×
なし
環境 モバイル実機
対応

対応

強い

Appium必要
エンタープライズ マネージドQA・代行
AI Coworker提供
×
非提供
×
非提供
×
非提供
非機能要件 日本語対応
完全対応

法人あり

完全対応

情報のみ

16.2 詳細比較

ツール名 特徴 強み 弱み 選択肢となるケース
Autify テスト設計・実行・マネージドまで包括的に支援する次世代QAプラットフォーム。 ・テスト設計のAI自動化(Genesis)
・AIエージェント+プロの代行(Coworker)
・非エンジニアに優しい直感的UI
・料金が非公開で個別見積もり
・APIテスト等が簡易的
テスト実行だけでなく、上流の「テスト設計・計画」の自動化や、QA業務全体のアウトソースを検討したい場合。
mabl Web/Mobile/API/Performanceを統合管理できる高機能プラットフォーム。 ・多機能な統合環境
・エンタープライズ機能充実
・自動修復も強力
・比較的高価格
・機能が多く学習に少し時間が必要
E2EだけでなくAPIやパフォーマンステストも含め、大規模に実行品質保証を行いたい場合。
MagicPod モバイルアプリテストに強く、コストパフォーマンスに優れた国産ツール。 ・モバイルテストに強い
・料金が明確で始めやすい
・実行回数無制限プランあり
・設計などのマネージド機能はなし
・複雑なロジックは苦手
モバイルアプリのテストが必須、またはコストを抑えてノーコード自動化から小さく始めたい場合。
Selenium オープンソースの標準フレームワーク。 ・無料
・圧倒的な柔軟性
・巨大なエコシステム
・環境構築と保守が大変
・高い技術力が必要
・AI修復や設計支援なし
自動化エンジニアが在籍しており、コストをかけずに完全に自由なテスト環境を構築したい場合。

17. 総評

  • 総合的な評価:
    • Autifyは、単なる「テスト実行のノーコード化」から、「QAプロセス全体の自動化・マネージドプラットフォーム」へと大きく進化しました。テスト設計・計画をAIで標準化する「Autify Genesis」、AIエージェントと専門家が伴走する「Autify AI Coworker」を提供することで、リソース不足に悩む開発現場の構造的な課題(属人化、品質とスピードのトレードオフ)を根本から解決します。
  • 推奨されるチームやプロジェクト:
    • QAリソースが不足している組織: テスト担当者やQAエンジニアが足りず、QA業務全体をスケーラブルにアウトソース・自動化したい企業。
    • テスト設計に課題を抱えるチーム: 属人化したテストケース作成を標準化し、仕様書から効率的に網羅性を高めたいプロジェクト。
    • エンタープライズ企業: BYOKやセルフホストなど、厳格なセキュリティ要件を満たしながらAIテスト自動化を導入したい企業。
  • 選択時のポイント:
    • 料金が個別見積もりのため、予算感の早期確認が必要です。単に「UIテストを自動実行したい」だけでなく、「テスト設計・ワークフロー自体をAIで効率化したい」「運用自体をプロに任せたい」という高いレベルのQA課題を抱えている場合に、最も高いROI(投資対効果)を発揮します。