Kiro IDE

スペック駆動開発が変えるAIコーディングの未来

Agenda

  1. 01. "Vibeコーディング"の限界とKiroの哲学
  2. 02. Kiroの核心機能と3段階ワークフロー
  3. 03. 競合比較とAWSの戦略
  4. 04. 開発の未来と最適なツール選択

【起】"Vibeコーディング"の限界

魅惑的なプロトタイプ

AIによるコード生成は迅速で実験的だが、その品質は不安定になりがち。

堅牢な本番コード

本番環境で求められる構造性や保守性を担保するには、大規模な手直しが必要になることが多い。

【承①】Kiroの哲学:スペック駆動開発

Kiroは、コード生成の「」に仕様を固めることで、このギャップを埋める。

Vibeコーディング

プロンプトで即座にコードを生成。
自由だが場当たり的

スペック駆動開発

要件定義から実装までを構造化。
計画的一貫性がある。

3段階の強制的ワークフロー

Kiroは、開発者に構造化されたプロセスを課すことで品質を担保する。

1. 要件定義

プロンプトから詳細な要件定義書 (`requirements.md`) を生成。

2. 設計

要件を基に技術仕様書 (`design.md`) を作成。実装前に計画をレビュー。

3. 実装

設計をタスクリストに分解し、開発者は差分を確認しながら一つずつ実行。

【承②】Kiroの心臓部:アーキテクチャの四本柱

スペック

開発の「なぜ」と「どうやって」を記録するMarkdown成果物。組織的知識として蓄積され、プロジェクトの透明性を高める。

エージェントフック

ファイル保存などのIDE内イベントをトリガーにAIが自動でタスク(例: README更新)を実行。CI/CDを「シフトレフト」する。

【承②】Kiroの心臓部:アーキテクチャの四本柱

エージェントステアリング

技術スタックや設計思想などをファイルで定義し、AIに永続的なプロジェクトコンテキストを提供。AIの「長期記憶」を実現。

MCP統合

社内ドキュメントなど、外部の知識を安全にKiroへ接続するプロトコル。機密情報を守りながらAIの知識を拡張できる。

【転①】哲学的な分岐点

規範的ワークフロー (Kiro)

標準化されたプロセスを「強制」することで、本番品質と一貫性を保証する。計画をコードより優先する。

拡張的支援 (Copilot etc.)

既存のワークフローを「強化」し、開発者の生産性を加速させる。柔軟性とコントロールを開発者に委ねる。

【転②】主要AIエディター比較

機能カテゴリ Kiro GitHub Copilot Cursor Tabnine
中核哲学 規範的・構造化 拡張的・加速 拡張的・AI First 拡張的・保護的
自動化能力 IDE内イベント駆動 GitHub Actions連携 大規模リファクタリング 専門エージェント
セキュリティ Pro版はデータ非学習 Enterprise版で制御 プライバシーモード オンプレミス可能

※レポートの表を基に要約

【転③】AWSの二正面戦略

AWSは、異なる哲学を持つ2つの製品でAI開発市場に両賭けしている。

Amazon Q Developer

拡張的アシスタント。既存IDEの利用者を対象に、AWSの専門知識で支援。

VS

Kiro

構造化IDE。新しいワークフローの採用を厭わないチームを対象に、本番品質を約束。

【結①】あなたのチームに最適なツールは?

規制産業・エンタープライズ

Tabnine: オンプレミス可能でセキュリティ最優先。
Kiro: 監査可能な開発記録がコンプライアンスに貢献。

アジャイルなスタートアップ

Cursor: 複雑なコードベースの迅速なリファクタリングに最強。
Copilot: 既存環境で優れたバランスを提供。

グリーンフィールド・本番志向

Kiro: 長期的な保守性とチームの一貫性を確立するのに理想的。
Amazon Q: AWS特化開発なら比類なし。

【結②】開発の未来:アシスタントからエージェントへ

開発者の役割は、コードを書くことから、AIを監督することへとシフトしている。

コードの書き手

実装の詳細に集中する

エージェントの監督者

要件を定義し、システムを設計し、
AIエージェントを導く

Kiroのようなツールは、この新しい役割のために設計されている。

構造が、創造性を加速させる。

Thank You