政治不信と物価高騰、有権者の選択
大規模買収事件や裏金問題による根強い政治不信が、多くの新人や無所属候補が乱立する土壌を形成しています。
生活を直撃する物価高対策が本選挙最大の争点となり、特に消費税のあり方が主要な対立軸となっています。
議席維持を目指す立憲現職と、失地回復を狙う自民新人。政権担当能力と実績を訴えます。
明確なイデオロギーを掲げる共産党のベテラン候補。固定支持層に福祉と平和を訴えます。
れいわ、参政党などの新興勢力と多数の無所属候補。既存政党への批判票の受け皿を狙います。
現職としての実績と労働組合の強力な支持を背景に、「共に生きる社会」の実現を訴えます。
元経産省官僚としての政策立案能力を武器に、「挑戦と改革」を掲げ党の逆風に挑みます。
弁護士。「消費税廃止」を最大の公約に掲げ、軍備拡大路線にも明確に反対します。
幼児教育アドバイザー。「子ども1人月10万円」の教育給付金という大胆な公約を掲げます。
医師。「選挙目当てのバラマキ」と安易な減税策を厳しく批判し、制度改革を訴えます。
元市議。「消費税廃止」に加え、反マスク・反ワクチンなど独自の世界観を主張します。
車椅子利用者でがん治療中の当事者として、障害者やがん患者の雇用拡大を強く求めます。
消費税を巡るスタンスで候補者は4つに大別されます。
分類 | 主張 | 主な候補者 |
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廃止・ゼロ派 | 消費税は経済停滞の元凶として廃止、またはゼロを目指す | 楾(れ)、谷本(無)、上子(無)、小石(参) |
引き下げ派 | まずは実現可能な目標として5%や4%への減税を提案 | 高見(共)、産原(無) |
包括対策派 | 減税に直接言及せず、経済成長や緊急経済対策で対応 | 西田(自)、森本(立) |
バラマキ批判派 | 安易な減税・給付を「オレオレ詐欺」と批判し将来への責任を問う | 玉田(無) |
被爆地として、核兵器禁止条約(TPNW)への態度が問われます。
唯一の戦争被爆国として、日本は条約に署名・批准すべきと主張。市民感情に寄り添います。
該当: 森本(立)、高見(共)
核保有国が不参加の現状では実効性に乏しいとし、署名・批准に否定的。安全保障の現実を重視します。
該当: 西田(自)
現職の実績か、クリーンな改革か。既存システムの枠内での選択です。
消費税廃止など抜本的な変革を求めるのか、一貫した理念に共鳴するのか。
短期的な利益を約束する公約か、将来への責任を問う長期的な視点か。
今回の選挙は、過去の不信、現在の苦境、未来への不安が交錯する日本の縮図です。 伝統的な選択肢に加え、新しい潮流や多様な無所属候補の中から、広島の未来像に最も合致する代表者を選ぶという、重い選択が有権者に迫られています。
This presentation is based on the "2025 House of Councillors election Hiroshima constituency: Comprehensive Candidate Analysis" report.
候補者氏名 | 党派 | 年齢 | 現/新 | 主な経歴 | 主な政治経験 |
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産原 稔文 | 無所属 | 57 | 新 | 元会社員 (マツダ) | 衆院選1回立候補 (落選) |
高見 篤己 | 日本共産党 | 73 | 新 | 政党職員 (党県書記長) | 県知事選、参院選、市長選立候補 (落選) |
森本 真治 | 立憲民主党 | 52 | 現 | 参議院議員 | 現職1期 |
西田 英範 | 自由民主党 | 43 | 新 | 元国家公務員 (経産省) | 参院選1回立候補 (落選) |
谷本 誠一 | 無所属 (諸派) | 69 | 新 | 元国会議員秘書 | 元呉市議会議員 (6期24年) |
玉田 憲勲 | 無所属 | 67 | 新 | 医師 (医療法人理事長) | 国政選挙7回立候補 (落選) |
小石 美千代 | 参政党 | 56 | 新 | 幼児教育アドバイザー | なし |
堤 美登里 | NHK党 | 68 | 新 | 会社経営 | なし |
楾 大樹 | れいわ新選組 | 50 | 新 | 弁護士 | なし |
上子 亨 | 無所属 | 48 | 新 | 元会社員 | なし |