血圧測定スマートデバイス
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2025年版 | 医療機器認証デバイスを中心に

はじめに:健康管理の進化

近年、スマートウォッチは単なる活動量計から、多角的な健康モニタリングツールへと進化しています。

  • 高血圧は心血管疾患の主要リスク因子であり、日常的な血圧管理が重要です。
  • 本プレゼンでは、特に日本の医療機器認証を受けたデバイスに焦点を当てます。
  • 「医療機器」と「ウェルネスガジェット」には、信頼性において大きな差があります。

信頼できるデータを得るためには、認証の有無が重要な判断基準となります。

2つの主要な血圧測定技術

🩺カフ式 (オシロメトリック法)

従来型の自動血圧計と同じ原理。腕帯(カフ)で腕を圧迫し、血流の振動を検知して測定します。

  • 長所: 精度が高い、ゴールドスタンダード
  • 短所: 測定時に圧迫感がある
  • 搭載デバイス: OMRON, HUAWEI

💡光学式 (PPG)

LED光を皮膚に当て、血流による光の反射量の変化から心拍数を測定し、血圧を「推定」します。

  • 長所: 手軽、連続的な傾向把握
  • 短所: 精度が低い、要キャリブレーション
  • 搭載デバイス: ASUS, その他多くの非認証デバイス

なぜ「医療機器認証」が重要なのか?

日本の厚生労働省による「管理医療機器認証」は、デバイスの安全性と性能(精度)が国のお墨付きであることを意味します。

  • 病気の診断、治療、予防を目的とした製品には必須。
  • 非認証デバイスとの間には、血圧測定精度に「雲泥の差」があるとされています。
  • 現在、日本で血圧測定の認証を取得しているのはOMRON社とHUAWEI社などに限られます。

Apple WatchやSamsung Galaxy Watch(血圧機能)は、日本では認証されていません。

認証デバイスレビュー① OMRON HeartGuide

OMRON HeartGuide

画像はイメージです

OMRON HCR-6900T-M

価格帯: ¥86,000 ~ ¥94,800

  • 医療機器メーカーとしての高い信頼性
  • 正確なオシロメトリック法を採用
  • 服薬リマインダー機能
  • 高価で、大きく重い (約115g)
  • バッテリー持続時間が約2日と短い
  • スマート機能は限定的(通知なし)

コンセプト:「腕時計型の専門医療機器」。多機能性よりも血圧測定の信頼性を最優先するユーザー向け。

認証デバイスレビュー② HUAWEI WATCH D2

HUAWEI WATCH D2

画像はイメージです

HUAWEI WATCH D2

価格: 約¥60,280

  • 血圧・心電図(ECG)の両方で認証取得
  • 多彩な健康トラッキング機能 (SpO2等)
  • スマートウォッチとして軽量・高機能
  • バッテリーが最大7日間持続(通常時)
  • 自動血圧測定モードは「認証外」
  • 電子マネー非対応

コンセプト:「多機能な健康ハブ」。認証済みの健康機能と日常の利便性を両立させたいユーザー向け。

OMRON vs HUAWEI 直接比較

特徴 OMRON HCR-6900T-M HUAWEI WATCH D2
価格 (目安) 高 (約9万円) 中 (約6万円)
心電図(ECG)認証 ❌ なし ✅ あり
スマート機能 限定的 (通知なし) 充実 (通知・通話)
バッテリー 約2日 最大7日 (通常時)
重量 約115g 約40g (本体)
ターゲット 血圧測定特化型 統合健康管理型

購入前に考えるべき4つのポイント

🏆 1. 精度は絶対か?

健康管理が目的なら医療機器認証は必須。トレンド把握なら非認証も選択肢に(ただし限界を理解した上で)。

❤️ 2. 他の機能は必要か?

心電図(ECG)、血中酸素(SpO2)、睡眠分析など、血圧以外の健康指標も重視するか。

3. 毎日快適に使えるか?

サイズ、重量、デザイン、バッテリー持続時間など、ライフスタイルに合うかを確認。

💰 4. 予算は?

認証デバイスは高価な投資。機能と価格のバランスを検討。

今後の展望:カフレス技術の進化

より手軽で連続的な血圧測定を目指し、「カフレス(非圧迫)」技術の研究開発が世界中で進んでいます。

  • 脈波伝播時間(PWTT)やAIを活用した新技術。
  • AppleやSamsungも関連特許を多数出願しており、将来的なApple Watchへの搭載などが期待されます。
  • ただし、個人ごとのキャリブレーションなしで医療グレードの精度を安定して達成するには、まだ課題が残ります。

当面は、信頼性を求めるなら認証済みのカフ式スマートウォッチが最も現実的な選択肢です。

結論と推奨

あなたのニーズに最適なデバイスは?

👨‍⚕️ 精度最優先のユーザー

OMRON HCR-6900T-M
スマート機能よりも医療機器としての信頼性を重視する方向け。ただし、価格とサイズは要検討。

🚀 バランス重視のユーザー

HUAWEI WATCH D2
認証済みの血圧・心電図機能と、現代的なスマートウォッチの利便性を両立したい方に最適。コストパフォーマンスが高い。

📈 トレンド把握が目的のユーザー

非認証デバイス
あくまで「参考値」として血圧傾向を知りたい方向け。ASUSなど。医療目的での使用は不可。

重要: どのようなデバイスを使用するにせよ、高血圧の診断と管理は必ず医療専門家にご相談ください。

ご清聴ありがとうございました

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