2040年 日本の平均所得5割増は実現可能か:数値的根拠に基づく専門的分析

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作成日: 2025年06月11日

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2040年に日本人の平均所得を5割増させる事ができるのか、数値的根拠を示して解説して欲しい。

2040年 日本の平均所得5割増は実現可能か:数値的根拠に基づく専門的分析

1. はじめに

本報告書は、2040年までに日本国民の平均所得を5割増加させるという目標の実現可能性について、数値的根拠と経済予測に基づき専門的な分析を行うことを目的とする。所得向上は、特に成熟経済であり人口動態の課題に直面する日本において、国民生活の質的向上と持続可能な経済社会の構築に向けた重要なテーマである。この目標は非常に野心的であり、その達成は広範な影響をもたらすものと考えられる。

分析にあたっては、まず現在の平均所得水準を確認し、目標達成に必要な年間成長率を算出する。その上で、過去の日本の経済政策、特に高度経済成長期の所得倍増計画からの教訓を考察する。さらに、2040年に向けた人口動態の変化、主要機関による経済成長予測、労働生産性向上の鍵となる技術革新(特にAIやDX)、労働市場の変革、そして労働分配率の動向といった、所得水準に影響を与える主要な要因を多角的に検討する。

本報告書は、これらの分析を通じて、目標達成の実現可能性を評価し、その上で政策的な視座を提示することで、日本の将来の経済的課題に対する理解を深めることを目指す。

2. 日本の平均所得の現状と目標値

2040年までに平均所得を5割増加させるという目標の実現可能性を評価するにあたり、まず現状の所得水準を正確に把握し、目標達成に必要な具体的な数値を明確にする必要がある。

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、2023年(令和5年)の年間を通じて勤務した給与所得者の平均年収は約460万円であった 1。この数値には賞与も含まれている 2。日本の平均年収は、平成26年(2014年)の421万円から概ね増加傾向にあり、令和4年(2022年)には458万円に達していた 1。

ただし、「平均」所得という数値は、その内訳に大きなばらつきがある点を認識しておく必要がある。例えば2023年において、男女別では男性が569万円、女性が316万円と大きな差が見られる 2。雇用形態別に見ると、正社員(正職員)の平均給与が530万円であるのに対し、パート・アルバイトなどの正社員(正職員)以外は202万円と、こちらも格差が存在する 2。年齢階層別では、男性は「55~59歳」で712万円とピークを迎える一方、女性は25歳から59歳の年齢階層では300万円台に収まっており、年齢による上昇傾向は男性ほど顕著ではない 2。これらの内訳は、平均所得向上策を議論する上で、その恩恵がどの層に行き渡るのかという分配の観点からも重要であるが、本報告書では主に「平均値」の達成可能性に焦点を当てる。

この現在の平均年収460万円を基準として、2040年までに5割増の所得水準を目指す場合、目標となる平均年収は、460万円×1.5=690万円となる。目標達成までの期間は2023年から2040年までの17年間である。この期間で平均年収を460万円から690万円へと引き上げるために必要となる年平均の名目成長率(g)は、以下の計算式で求められる。

690万円=460万円×(1+g)17(1+g)17=460690​=1.51+g=(1.5)171​≈1.0240
g≈0.0240 すなわち 2.40%
したがって、2040年までに平均所得を5割増加させるためには、名目ベースで年平均約2.40%の成長を持続的に達成する必要がある。この2.40%という数値が、本報告書全体を通じて実現可能性を評価する上での重要なベンチマークとなる。

ここで、名目所得と実質所得の区別について触れておく必要がある。本件の目標は通常、名目所得の増加を指すと解釈されるが、国民の生活水準の実質的な向上という観点からは、物価変動の影響を除いた実質所得の増加がより重要となる。仮に、将来の平均インフレ率が日本銀行の目標である2%で推移すると仮定した場合、実質所得で年率2.40%の成長を達成するためには、名目所得で約 2.40%+2%=4.4% の成長が必要となる。もし名目所得が目標通り年率2.40%で成長しても、インフレ率が2%であれば、実質所得の成長率は年約0.4%に留まることになり、5割増という名目目標の達成感が薄れる可能性がある。この点は、目標の意義を評価する上で留意すべきである。

表1: 日本の平均給与の推移と2040年目標値

項目 出典
2014年(平成26年)平均年収 421万円 国税庁「民間給与実態統計調査」1
2022年(令和4年)平均年収 458万円 国税庁「民間給与実態統計調査」3
2023年(令和5年)平均年収(基準値) 460万円 国税庁「民間給与実態統計調査」1
2040年目標平均年収(5割増) 690万円 算出値
目標達成に必要な年平均名目成長率(17年間) 約2.40% 算出値

この表は、過去のトレンドと将来の目標値を比較することで、目標達成の難易度を視覚的に理解する一助となる。年平均2.40%の持続的な名目所得成長は、近年の日本の経済状況を鑑みると、決して容易な目標ではないことが示唆される。

3. 過去の所得倍増計画からの示唆

2040年までの平均所得5割増という野心的な目標を評価する上で、日本の経済史における顕著な成功例である1960年代の「所得倍増計画」を振り返ることは有益な示唆を与える。この計画は、1960年に池田勇人内閣によって閣議決定され、10年間で国民総生産および国民所得を2倍以上にすることを目指した長期経済計画であった 4。計画では年平均7.2%の経済成長率が目標とされたが、実際の日本経済はこれを上回る年平均約10%の高度経済成長を達成し、国民1人当たりの消費支出は10年間で2.3倍に拡大した 4。

この驚異的な成功の背景には、いくつかの特有の要因が存在した。第一に、世界経済が拡大基調にあり、日本製品の輸出が伸びやすい良好な国際環境があった。GATT(関税及び貿易に関する一般協定)体制下で貿易自由化が進み、日本は輸出拡大を通じて成長を加速させた。池田政権は欧州市場の重要性に着目し、通商航海条約の締結などを通じて輸出市場の開拓に努めた 7。第二に、国内的には、若年層が厚く、農村から都市部の工業地帯への労働力移動が活発な、豊富で質の高い労働力が存在した。第三に、欧米からの積極的な技術導入とそれを国内で改良・応用する能力が高く、生産性が飛躍的に向上した。第四に、高い貯蓄率が旺盛な設備投資を支え、生産能力の拡大に繋がった。そして第五に、池田首相自身が「経済の時代」を掲げ、経済成長を最優先課題とする明確なビジョンと強力なリーダーシップを発揮し、政府が公共投資や産業政策を通じて経済成長を後押ししたことが挙げられる 4。池田勇人は、軍隊を持たない日本は経済をアイデンティティにすべきという明確なビジョンを持っていたとされる 8。

しかし、現在の日本が置かれている状況は、1960年代とは大きく異なる。最大の相違点は人口動態であり、当時は若年人口が増加していたのに対し、現在は少子高齢化が急速に進行し、生産年齢人口は減少の一途をたどっている(詳細は第4.1節で後述)。また、日本は既に技術先進国であり、かつてのような「キャッチアップ型」の成長モデルは適用できない。グローバル経済における競争は激化しており、国内市場も成熟している。さらに、所得倍増計画の時代にも、「終身雇用制、特殊な退職手当制度、年功序列型賃金制度等の諸要素が労働力移動を困難にしている」といった構造的な課題が認識されていたが 5、これらの日本型雇用慣行の一部は形を変えつつも影響を残しており、現代的な課題と結びついている。

これらの点を踏まえると、所得倍増計画の成功体験は、国家的な目標設定と国民的努力の重要性を示すものの、その具体的な手法や前提条件は現代にそのまま適用できるものではない。2040年の所得5割増目標に必要な年平均2.40%の成長率は、1960年代に目標とされた7.2%(実績約10%)と比較すれば控えめに見えるかもしれない。しかし、現代の日本が直面する経済構造や人口動態の制約を考慮すると、この2.40%という数値の達成は、当時とは異なる種類の、そしてある意味ではより複雑な困難さを伴う挑戦であると言える。したがって、過去の成功事例は精神的な支えや政策遂行の重要性を示唆するに留まり、具体的な戦略は現代の状況に合わせて新たに構築する必要がある。

4. 2040年に向けた経済成長の展望

平均所得の向上は、経済全体の成長と密接に関連している。ここでは、2040年に向けた日本の経済成長の展望を、人口動態の変化と主要機関による経済予測の観点から考察する。

4.1. 人口動態の変化と労働力への影響

日本の将来の経済成長を考える上で、人口動態の劇的な変化は避けて通れない基本的な制約条件である。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、日本の総人口は2020年の1億2,615万人から減少し続け、2070年には8,700万人(中位推計)になると予測されている 9。2040年時点でも、総人口は現在より大幅に減少していることが見込まれる。

同時に深刻なのが高齢化の進行である。65歳以上人口の割合は、2020年の28.6%から一貫して上昇し、2070年には38.7%に達すると推計されている 10。別の予測では、2040年には高齢化率が約35%になるとも見込まれている 11。これに伴い、生産活動の中心を担う生産年齢人口(15~64歳)は減少し、2040年には総人口に占める割合が約55%になると予測されている 11。

表2: 人口動態予測(2040年まで)

年次 総人口(万人) 15~64歳人口(万人) 15~64歳人口割合(%) 65歳以上人口(万人) 65歳以上人口割合(%) 出典(主に国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」に基づく)
2020年 12,615 7,509 59.5% 3,621 28.7% 10 および関連資料より構成
2025年 12,254 7,170 58.5% 3,716 30.3% 10 および関連資料より構成
2030年 11,913 6,875 57.7% 3,799 31.9% 10 および関連資料より構成
2040年 11,092 6,081 (約55% 11) 約54.8% 3,868 (約35% 11) 約34.9% 10 および関連資料より構成
2050年 10,192 5,275 51.8% 3,969 38.9% 10 および関連資料より構成

注: 2040年の15-64歳人口、65歳以上人口の具体的な数値は10の図表から読み取れるが、割合は11の記述も参考にしているため若干の差異が生じうる。ここでは傾向を把握することを主眼とする。

このような人口構造の変化は、労働力供給の減少を通じて経済成長に直接的な影響を及ぼす。労働力不足は経済成長の停滞を招き 12、特に地方では若者流出と人口減少が地域社会の維持を困難にする可能性がある 12。また、高齢化に伴う年金・医療・介護などの社会保障給付費の増大は、国家財政を圧迫する。内閣府の試算では、社会保障給付費の対GDP比は2018年度の21.5%から、2040年度には23.8~24.0%に上昇すると見込まれている 14。三菱総合研究所の試算では、社会保障給付費全体が2020年の132兆円から2040年には169兆円に達すると予測されている 15。これらの社会保障費の増加は、現役世代の負担増、あるいは成長分野への投資抑制に繋がり、結果として所得向上の足枷となる可能性がある。

この人口動態の大きな流れは、単に労働力の量を減らすだけでなく、経済全体の需要構造(例えば医療・介護サービスの需要増 12)や供給構造にも変化をもたらす。この構造変化の中で、高齢者市場(シルバーエコノミー)を新たな成長源として捉え、増加する社会保障コストを適切に管理しつつ、経済全体の活力を維持・向上させていくことが、所得向上を実現するための重要な課題となる。財政的な制約が、その制約を乗り越えるために必要な資源(教育、技術開発投資など)を圧迫するという悪循環に陥らないような政策運営が求められる。

4.2. 主要機関による経済成長率予測

平均所得を年率2.40%で増加させるという目標は、名目GDP(国内総生産)の成長と深く関わっている。労働分配率が一定であれば、一人当たり名目所得の成長率は、一人当たり名目GDPの成長率と連動する傾向がある。

しかし、主要な研究機関による日本の将来の経済成長率予測は、必ずしも楽観的なものばかりではない。野村総合研究所が引用する日本経済研究センター(JCER)の中期経済予測によれば、日本の名目GDP成長率は中長期的には鈍化し、2035年度には0.8%まで落ち込むとされている(2035~2040年度も同水準が続くと仮定)16。この0.8%という数値は、所得5割増に必要な年平均2.40%を大きく下回っており、この予測が現実となれば目標達成は極めて困難になる。

実質GDP成長率に関しても、厳しい見通しが存在する。日本経済研究センターの長期経済予測の中には、生産性の向上がなければ2030年代後半からマイナス成長に陥る可能性を示唆するものもある 17。三菱総合研究所は、2040年の世界のGDP構成において日本の相対的地位は低下を続け、世界第5位に後退すると予測しており、これは他国と比較して日本の成長率が低いことを意味する 18。

表3: 主要機関による日本の実質・名目GDP成長率予測(2040年頃まで)

予測機関 (参照元) 予測対象・期間 実質GDP成長率予測 (年平均) 名目GDP成長率予測 (年平均) 備考
日本経済研究センター (野村総合研究所 16より) 2035年度 (2035-2040年度も同水準と仮定) N/A 0.8%  
日本経済研究センター 17 2030年代後半~2040年代 (生産性向上がない場合) マイナス成長の可能性 N/A 複数のシナリオに基づく
石破茂氏指示の目標 (木内登英氏コラム 19より) 2024年~2040年 N/A +3.1% 2040年名目GDP1,000兆円達成のため。コラムでは実現性に疑問を呈している。

注: 各機関の予測は発表時期や前提条件により異なる。上記は入手可能な情報に基づく一部抜粋。

名目GDP成長率と平均所得成長率の関係については、留意すべき点がある。厚生労働省の資料では、一人当たり名目GDPの伸びは名目賃金の伸びよりも高い傾向が示されている 20。これは、GDPの成長分が必ずしも пропорционально 賃金に反映されていないことを示唆し、労働分配率(後述)などの要因が影響していると考えられる。一方で、ある政治的な目標設定の文脈では、労働力人口が減少する場合、労働分配率が不変であれば一人当たり所得の増加率は名目GDP成長率よりも大きくなるはずだという議論も存在するが、その前提条件は必ずしも自明ではない 19。

これらの予測や議論を踏まえると、現状の延長線上で経済が推移する場合、2040年までに平均所得を5割増(年率2.40%増)させるために必要な名目GDP成長率を持続的に達成することは容易ではない。目標達成には、これらの標準的な予測を上回るような、構造改革や技術革新による大幅な成長率の底上げが不可欠となる。また、GDPの成長が確実に所得向上に結びつくような分配構造の実現も同時に求められる。

5. 所得向上を実現する上での主要課題と促進要因

2040年までの平均所得5割増という目標達成には、経済成長を阻む課題を克服し、成長を促進する要因を最大限に活用する必要がある。ここでは、労働生産性、労働市場、労働分配率という三つの観点から主要な課題と促進要因を検討する。

5.1. 労働生産性向上の鍵:技術革新(AI・DX)の可能性

人口減少と高齢化が進む日本において、持続的な経済成長と所得向上を実現するためには、労働生産性の飛躍的な向上が不可欠である。マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)の試算によれば、日本が近年のGDP成長率を維持するだけでも、今後10年間で生産性成長率を2.5倍に高める必要があるとされている 21。この課題に対する最も有望な解決策の一つが、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)といった技術革新の活用である。

経済産業省は、生成AIがあらゆる分野へ導入・高度化されることで、人口減少による構造的な人手不足等の社会課題を解決し、革新的な製品・サービスを創出し、経済成長を実現する技術であると位置づけている 22。実際に、AIの導入効果に関する国際的な調査研究は、その大きな可能性を示唆している。PwCの調査によると、AIは今後10年間で世界の経済生産高を最大15%ポイント押し上げる可能性があり、これは年間の成長率に1%ポイント上乗せするに等しい規模である 23。また、AIを最も活用できる産業では、従業員一人当たりの収益成長率が3倍高く、AIスキルを持つ労働者は平均して56%高い賃金を得ているとの報告もある 24。日本国内に目を向けると、アクセスパートナーシップは、生成AIが日本の生産能力を最大148.7兆円(1.1兆米ドル)解放する可能性があり、これは2022年のGDPの4分の1に相当すると試算している 25。アクセンチュアは、明治安田生命のような大手日本企業におけるAI導入を支援し、従業員の生産性向上やイノベーション創出を目指している 26。

表4: AI等技術革新による経済効果の試算例

試算機関・出典 対象範囲 主要な試算結果・指摘 時期等
PwC 23 グローバル AIにより今後10年で世界GDPが最大15%ポイント増加の可能性 今後10年
PwC 24 グローバル AIスキルを持つ労働者の賃金プレミアムは56% 調査時点
Access Partnership 25 日本 生成AIにより148.7兆円の生産能力解放の可能性(2022年GDPの約4分の1) 試算時点
経済産業省試算 (こうのとり氏note 27より) 日本 2040年にAI・ロボット活用人材が326万人不足 2040年
MGI (マッキンゼー) 21 日本 自動化により2030年までに既存業務の27%が代替される可能性(1,660万人の雇用に影響) 2030年

しかし、これらの輝かしい可能性の裏には、克服すべき大きな課題も存在する。最大の懸念の一つは、AIやロボットの活用を担う人材の不足である。経済産業省の試算では、2040年には日本で326万人ものAI・ロボット関連人材が不足すると予測されている 27。この人材ギャップは、AI導入による生産性向上の大きな足枷となり得る。また、MGIの分析では、自動化によって2030年までに1,660万人の仕事が代替される可能性がある一方で、新たな雇用も創出されるが、それでも150万人の労働力不足が生じる可能性が指摘されている 21。これは、技術革新に伴う雇用のミスマッチや、大規模なリスキリング(学び直し)の必要性を示唆している。さらに、AIの導入と運用には多大な初期投資と組織変革が求められ、特に伝統的な企業文化を持つ一部の日本企業にとってはハードルが高い場合がある。AIの責任ある展開と社会的な信頼の醸成も、その恩恵を最大限に引き出すためには不可欠である 23。

AIによる生産性向上が平均所得の5割増に繋がるかどうかは、単に技術を導入するだけでは決まらない。生産性向上の果実が、一部の資本家や高度専門人材に集中するのではなく、広く労働者に分配されるメカニズムが伴わなければ、平均所得の大幅な向上や格差の是正には結びつかない可能性がある。AI人材の深刻な不足 27 は、生産性向上そのものが期待通りに進まないリスクと、仮に進んだとしてもその恩恵が一部に偏るリスクの両方を示唆している。したがって、AIを所得向上に結びつけるためには、技術開発・導入支援と並行して、大規模な人材育成、円滑な労働移動支援、そしてAI時代に即した所得分配のあり方を検討する包括的な戦略が求められる。

5.2. 労働市場の変革:労働参加率向上と人材活用

生産年齢人口の減少という厳しい制約の中で所得向上を目指すには、労働力供給の維持・拡大と、人材の質の向上が不可欠となる。これには、女性や高齢者といった従来十分に活用されてこなかった層の労働参加促進、外国人材の受け入れ、そして日本型雇用慣行の見直しを含む労働市場全体の変革が求められる。

女性の労働参加率は近年上昇しているものの、依然として能力を発揮しきれていないケースや、指導的地位への登用が少ないといった課題がある。パーソル総合研究所の推計では、2035年にかけて女性の労働力率は全体的に上昇し、特に60代女性では20ポイント以上の上昇が見込まれている 28。高齢者に関しても、就労意欲のある層は依然として多く、みずほリサーチ&テクノロジーズの過去の試算では、65~69歳の就業率が60~64歳並みになれば、65歳以上の潜在就業率は当時の24.3%から30.2%へと上昇する可能性が示されていた 29。これらの層の労働参加をさらに促すためには、柔軟な働き方の推進、保育サービスの充実、年齢や性別によらない公正な評価・処遇制度の確立が重要となる。

外国人労働者の活用も、特定分野における人手不足の緩和や経済活性化に貢献しうる。外国人労働者の受け入れは、企業の生産性向上、多様性の確保、グローバル競争力の向上に繋がると期待されている 30。特に人手不足が深刻な介護、飲食、運輸、製造業などでは、外国人労働者が国内産業の維持を支える重要な役割を担いつつある 31。外国人労働者が日本で生活し消費を行うことは、国内の消費活動を活発化させ、GDP増加の一因ともなりうる 31。

さらに、所得向上と経済全体の生産性向上には、日本型雇用慣行の変革も避けて通れない。政府は「三位一体の労働市場改革」として、リスキリングによる能力向上支援、成長分野への労働移動の円滑化、そして年功型賃金から職務(ジョブ)型賃金への移行を推進している 5。職務型賃金は、職務内容と求められるスキルを明確にし、それに基づいて賃金が決定されるため、労働者の専門性向上や企業間の労働移動を促進し、生産性の高い分野へ人材がシフトする効果が期待される。また、正社員と非正社員の間の処遇格差(2023年時点で平均給与に大きな差が存在 2)の是正も、平均所得の底上げには重要な課題である。

これらの労働市場改革は、単に労働力の「量」を確保するだけでなく、労働力の「質」を高め、人材配置の効率性を向上させることを目指すものである。特に、職務型賃金への移行が広範に進めば、個人のスキルや生産性が所得に直結しやすくなり、経済全体の成長以上に平均所得が押し上げられる可能性も秘めている。しかし、これらの改革は日本企業の長年の慣行や文化に深く関わるため、その実現には時間と多大な努力を要する。平均所得への影響も、改革がどの程度進展し、どのような形で賃金構造に変化をもたらすかによって大きく左右されるだろう。

5.3. 労働分配率の動向とその影響

経済成長が実現したとしても、その成果が労働者に適切に分配されなければ、平均所得の向上には繋がらない。ここで重要な指標となるのが、労働分配率である。労働分配率は、企業が生み出した付加価値のうち、どれだけが人件費として労働者に支払われたかを示す割合であり、この数値の動向は所得水準に大きな影響を与える。

財務省「法人企業統計」によると、日本の労働分配率は近年低下傾向にあると指摘されている 32。特に2021年10-12月期には、1993年7-9月期以来の低水準となったことが報告されている 32。厚生労働省の資料でも、労働分配率は景気拡張局面で低下する傾向があり、近年は企業規模にかかわらず低下し、特に大企業での低下が顕著であるとされている 33。労働分配率の低下は、経済成長の恩恵が企業収益の増加ほどには労働者の賃金に反映されていない可能性を示唆しており、平均所得5割増という目標達成にとっては大きな障害となりうる。

労働分配率低下の背景には、複数の構造的要因が指摘されている。第一に、グローバル化の進展である。企業が生産拠点を人件費の安い海外へ移転(オフショアリング)したり、安価な輸入品との競争に晒されたりすることで、国内の労働コスト抑制圧力が強まる 34。第二に、技術革新の影響である。AIや産業用ロボットの導入などによる生産工程の自動化は、資本集約度を高め、労働の役割を代替することで労働分配率を押し下げる可能性がある 34。Acemoglu and Restrepo (2019) の米国における研究では、産業ロボットの導入が雇用と賃金の両方を減少させたと指摘されている 34。第三に、非正規雇用の拡大である。一般的に賃金水準が低い非正規労働者の割合が増加することで、全体の労働分配率が低下する方向に作用する可能性がある 34。第四に、市場における競争度の低下や一部の「スーパースター企業」への収益集中も、労働分配率に影響を与える要因として挙げられている 34。

これらの要因は、いずれも一朝一夕に解決できるものではなく、労働分配率の低下傾向に歯止めをかけ、さらには上昇に転じさせることは容易ではない。仮に労働分配率が今後も低下し続けるとすれば、平均所得を年率2.40%で増加させるためには、名目GDPはそれ以上の率で成長する必要が生じる。つまり、経済のパイが大きくなっても、労働者の取り分が小さくなれば、一人当たりの所得は期待ほど伸びないことになる。

したがって、2040年の所得目標達成の実現可能性は、労働分配率の将来動向に大きく左右されると言える。この数値が継続的に低下するならば、いかに高いGDP成長率を達成したとしても、目標とする所得水準への到達は困難になる。このことは、所得向上を目指す上で、経済成長戦略だけでなく、その成長の果実をいかに分配するのかという政策(例えば、労働者の交渉力強化支援、生産性向上に見合う賃上げ促進策、税制や社会保障を通じた再分配機能の強化など)が極めて重要であることを示している。しかし、労働分配率低下の背景にあるグローバル化や技術革新といった大きな流れに、国内政策だけでどこまで対抗できるかは未知数であり、この点が目標達成の難易度を一層高めている。

6. 2040年平均所得5割増の実現可能性評価

これまでの分析を踏まえ、2040年までに日本人の平均所得を5割増加させるという目標の実現可能性を総合的に評価する。

目標達成には、2023年から2040年までの17年間で、平均所得が年平均約2.40%の名目成長を遂げる必要がある。この成長率は、野村総合研究所が引用する日本経済研究センターの予測(2035年度以降の名目GDP成長率0.8% 16)など、一部の主要機関による長期的な名目GDP成長率予測と比較して野心的な水準である。

実現可能性を左右する最大の要因は、まず人口動態である。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、日本の総人口および生産年齢人口は2040年に向けて著しく減少し、高齢化率は約35%に達すると予測されている 9。この人口構造の変化は、労働力供給の制約を通じて経済成長の潜在的な重石となる。

一方で、AIやDXといった技術革新は、労働生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めている。PwCやアクセスパートナーシップなどの試算は、AIが経済に大きなプラス効果をもたらしうることを示唆している 23。また、女性や高齢者の労働参加率向上、外国人材の活用、ジョブ型雇用への移行といった労働市場改革も、労働力の質的・量的改善を通じて成長を後押しする要因となりうる 5。

しかし、これらの促進要因が効果を発揮するためには、多くの課題を克服しなければならない。特に、AI人材の深刻な不足 27 は技術革新の恩恵を限定的にする恐れがあり、また、近年低下傾向にある労働分配率 32 が改善されなければ、GDP成長の果実が十分に賃金に反映されない可能性がある。

これらの要素を総合的に勘案し、三つのシナリオを想定して実現可能性を評価する。

以上の分析から、2040年までに平均所得を名目ベースで5割増加させるという目標は、理論上不可能ではないものの、極めて挑戦的であり、達成のハードルは非常に高いと言わざるを得ない。現在のトレンドや主要な経済予測、そして構造的な課題の大きさを踏まえると、よほど幸運な条件が重なり、かつ抜本的で効果的な政策が連続的に成功しない限り、その実現可能性は低いと評価される。

この目標への道筋は、極めて細く険しいものである。AIのような単一の特効薬に期待するのではなく、技術導入、人材育成、労働市場改革、所得分配構造の改善といった多岐にわたる分野での協調的かつ持続的な努力が不可欠である。これほど多くの変動要因が全て理想的な形で連携し、相乗効果を発揮する必要があるという事実は、この目標がいかに野心的であるかを物語っている。

7. 目標達成に向けた政策的視座

2040年までに平均所得5割増という野心的な目標を追求する上で、政府および社会全体として取り組むべき政策的方向性は多岐にわたる。以下に主要な視座を提示する。

これらの政策は相互に関連しており、個別に推進するだけでは十分な効果は期待できない。例えば、AI技術の導入を推進しても 22、それを使いこなす人材が育たず 27、かつ生産性向上の果実が賃金に反映されなければ(労働分配率の問題 32)、広範な所得向上には繋がらない。政策パッケージとしての整合性と、実効性の高い実施体制の構築が、目標達成の鍵を握る。

8. 結論

本報告書は、2040年までに日本人の平均所得を5割増加させるという目標の実現可能性について、数値的根拠と経済予測に基づいて分析を行った。現在の平均年収約460万円(2023年)を基準とすると、2040年の目標値は約690万円となり、これを達成するには17年間にわたり年平均約2.40%の持続的な名目所得成長が必要となる。

分析の結果、この目標の達成は、不可能ではないものの、極めて困難な挑戦であると結論付けられる。日本の深刻な人口減少と高齢化 9、主要機関による控えめな長期経済成長予測 16、そして近年の労働分配率の低下傾向 32 といった要因は、目標達成に向けた大きな障壁となる。

目標達成の可否は、以下の要素に大きく左右される。

  1. 技術革新による生産性の飛躍的向上: AIやDXといった先端技術の導入と活用が、経済全体の生産性をどれだけ押し上げられるか。これには、AI人材不足の解消 27 と、技術の恩恵が広く社会に行き渡る仕組みが不可欠である。
  2. 労働市場改革の進展と実効性: 女性や高齢者の労働参加促進、外国人材の活用、リスキリングによる人材育成、ジョブ型雇用への移行といった改革が、労働力の質と量をどれだけ高められるか 5。
  3. 労働分配率の動向: 経済成長の果実が、企業収益だけでなく、労働者の賃金として適切に分配されるか。労働分配率の改善がなければ、GDP成長が所得向上に結びつきにくい 20。
  4. 持続的な政策努力と社会全体の適応力: 上記の課題解決に向けた、政府、企業、個人それぞれのレベルでの長期的かつ一貫した取り組みと、変化への適応が求められる。

5割増という目標は極めて野心的であるが、国民の生活水準向上と経済の持続的発展のためには、現状を打破する大胆な取り組みと、より高い成長を目指す努力そのものが重要である。本分析が示すように、その道のりは多くの構造的課題に直面するが、同時に技術革新や制度改革といった希望の光も存在する。これらの機会を最大限に活かし、包摂的な成長を実現するための戦略的かつ多角的なアプローチが、今後の日本には不可欠であろう。

引用文献

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  2. 昨年の年間給与は460万円で3年続けて増加(国内トピックス - 労働政策研究・研修機構, 6月 11, 2025にアクセス、 https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2024/11/kokunai_02.html
  3. 令和4年分民間給与実態統計調査結果について - 国税庁, 6月 11, 2025にアクセス、 https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/minkan_2023/pdf/01.pdf
  4. 所得倍増計画(ショトクバイゾウケイカク)とは? 意味や使い方 - コトバンク, 6月 11, 2025にアクセス、 https://kotobank.jp/word/%E6%89%80%E5%BE%97%E5%80%8D%E5%A2%97%E8%A8%88%E7%94%BB-686358
  5. 骨太の方針と「国民所得倍増計画」~労働市場改革の共通点と現代への示唆 DTFA Institute, 6月 11, 2025にアクセス、 https://faportal.deloitte.jp/institute/report/articles/000786.html
  6. 東京五輪の前後で景気が激変、「所得倍増計画」の功罪、ケネディ米大統領暗殺の影響は?【ダイヤモンド111周年~高度成長期 2】, 6月 11, 2025にアクセス、 https://diamond.jp/articles/-/347886
  7. 池田政権と高度経済成長 - 立命館大学, 6月 11, 2025にアクセス、 https://www.ritsumei.ac.jp/ir/isaru/assets/file/journal/31-5_05_Suzuki_Hironao.pdf
  8. 今、戦後史から知っておきたい日本を「経済の国」へと変えた男 - ダイヤモンド・オンライン, 6月 11, 2025にアクセス、 https://diamond.jp/articles/-/76354
  9. 国立社会保障・人口問題研究所R5推計:2070年の総人口は3割減少8700万人の見通し, 6月 11, 2025にアクセス、 https://www.satsuki-jutaku.jp/journal/article/p=2245
  10. 将来推計人口(令和5年推計)の概要 - 厚生労働省, 6月 11, 2025にアクセス、 https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001093650.pdf
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